日銀総裁を巡るおかしさ
2008年03月12日
日銀総裁に政府が財務省出身の武藤敏郎氏(現日銀副総裁)を提案し、それに同意を求めたのに対して、民主党は参議院本会議で否決し不同意としました。理由は財務省出身だから、ということだそうです。だから誰を求める、という事ではありません。ただ武藤氏ではいけない、ということ。
民主党もここまで来たか、という印象です。今サブプライムローン問題に端を発し、世界の経済が非常に不安定になっている時期です。昨日も欧米が通貨に対する不安を払拭するため、各国の中央銀行が、お金の量を増やすという対策を採ったばかり。各国は必死で経済を立て直そうとしています。しかも日本は諸外国から経済改革の歩みがのろい、といわれている最中でもあります。
政争のためだけで、日本の中央銀行の総裁が一時的にでも不在になれば、世界の物笑いの種です。しかも日本の株安に拍車をかけることにもなります。経済的に今一番舵取りが難しい時。それだけにここは、与野党なしで踏ん張らなくてはいけない所ですが、どうも目先のちっぽけなものにこだわる、日本の政治家や政党の悪い習癖が出てしまったようです。昼間、自民党の政調会で、経済の現状が説明されましたが、ここ2-3ヶ月は消費も売り上げも設備投資も全て低落しています。それほど切羽詰った状態です。
衆参議院のねじれ状態はいよいよ、最悪の循環に入ってしまいました。以前は新党さきがけで同志だった鳩山由紀夫幹事長の顔が最近は日本のことを考えない、他国のエイリアンのように見えてきます。