中小企業の悩み

2007年05月10日

 昨日、今日と中小企業の経営者の方とゆっくりと話をしました。特にトヨタが2兆円を越す利益を上げたなど、企業の好調な業績が発表されたばかり。それに付随して下請けなども好調かな、と思いましたらなかなか厳しいようです。
 大企業の膨大な利益はその企業の努力もあるけれど、下請け3次、4次の孫受けの企業の犠牲の上に成り立っているとも言えます。大企業からはギリギリの値段で発注が来る。また部品などの全ては入札制。品質などは問題が起きたときに考えるということで、まずどれだけ安いかが勝負です。しかも新しい製品の注文に対しては、設備投資をして対応しなければならず、もし「出来ない」と答えれば他の企業に発注、となる。このため「止めるか」「続けるなら無理をしてでも借金をして設備拡大」となるそうです。
 しかも発注の依頼は時によって大きな波がある。発注が少ないときに社員を遊ばせておくわけにもいかないので、自然と正社員の割合を必要最小限度にしておいて増産のときに派遣社員で対応する、ということにならざるを得ない、ということでした。
 そんな現実を知っていて、再チャレンジ計画や正規の社員の割合の増加を政治は言っているのだろうか、ということでした。
 話を聞いていると、本当にギリギリの経営が続き、自転車操業の中小企業の実態が分かってきます。日本は95パーセントが中小企業。もちろん大企業がダメになればこれら下請けの中小企業もつぶれることになりますので、大企業の大切さは十分分かりますが、これほど国内、また世界的な規模で競争が続くなら、最終的にはどうなってしまうのだろうかとも感じました。
 それより、政治家がもっと企業の実態を知った上で政策を立てること。選挙目当てにいかにも正社員を増やすような、中小企業に活力を与えるような、美しい言葉の羅列では、なんら解決はないし、日本もやがて行き詰ると思いました。
 明朝の辻立ち7時30分小国、8時南小国。