マリー・アントワネット

2007年03月11日

・・映画「マリーアントワネット」を見ました。映画そのものはたいしたことはありませんでした。アメリカ映画の典型的なものです。しかし歴史的に見て、マリー・アントワネットが贅沢の限りを尽くす生活に代表されるように、フランス、ルイ王朝が庶民を無視した政治をしていたことで、1789年にフランス革命が起きます。そして政治犯が収容されているバスティユーの牢獄が市民に襲撃され劇的な革命が成立します。マリー・アントワネットも夫のルイ16世もギロチンで処刑されます。「フランス革命」はまさに庶民が王朝政治を倒した市民革命として教わってきました。もちろん市民の側の犠牲者も多数出ました。
・・しかしそうやって、多大なる犠牲を払いながらせっかく革命を成立させ、新しい共和制に移行したにもかかわらず、10年足らずで今度はボナパルト・ナポレオンが登場して皇帝となり帝政をしきます。
・・せっかくみんなの力で手に入れた革命政府をなぜこうも簡単に手放すのだろうと不思議に思いました。結果はみんなが知っている通りです。1814年にウイーン会議でナポレオンが荒らしまわったあとのヨーロッパをどうするかの会議が開かれ、再びフランスは共和制に戻ります。しかし、その後またルイ・ナポレオンという先代ナポレオンの遠縁に当たるという人が、かつての強いフランスを忘れられない勢力に支えられナポレオン3世となります。
・・なんでこんなに政治体制がめまぐるしく変わるのだろう。フランスという国はどんなところだろう、教科書ではそんなことは全然教わりませんでしたので少しばかり、本でかじってみました。
・・やはり政治体制を維持していくというのは難しい。国の経済状況、国民の生活水準、国民の感情、隣国の状況、各国との力関係、そして宗教の関わりなどで、ある時は共和制にある時は王制にまたある時は帝制に、更に社会主義が出てきたりと自国の経済状況や他国との戦争状態の状況などによって国の指導体制が右に左にと揺れ試行錯誤していく様がはっきりと分かります。特にヨーロッパはイギリス、スペイン、イタリア、プロイセンまたドイツ、オーストリア、オランダそしてロシアなどがしのぎを削っています。フランスだけでなくこれらの国々も政治体制は時代によって変わっています。
・・そこにいくとアジアはしのぎを削りあう国々も少なく、民主化への自らの努力も小さいようです。ヨーロッパのように哲学者もなかなか出ない。政治的にはやはりヨーロッパが成熟している。
・・ヨーロッパの政治を見ていると中国の体制、北朝鮮の体制もそんなに急には変わらない。日本は大陸の脅威と常に向き合いながらも、ヨーロッパを見習いながら日本の成熟した政治体制を目指していかなくてはならない、単純に一方向だけに突っ走るには良くない、ということだけは分かりました。これが映画「マリー・アントワネット」を見た成果です。
・・明朝の辻立ち7時20分西原、8時立野。