集落の崩壊を防ごう

2007年02月02日

 昨日阿蘇のある地域で懇談会をしました。場所はNTTの保養所です。避暑も兼ねて昭和50年代に建てられたものです。温泉、宿泊施設、レクリエーション施設や広場がありなかなか立派な施設です。料理も私の大好きな、さば寿司などを出していただき、酒も地酒を出してもらいました。安くてリラックスできる保養所です。NTT社員だけでなく集落の拠り所ともなっています。
 しかしこの施設も3月をもって閉鎖するそうです。その後買い手がなければ取り壊しとなるようだと、地元の方が言っておられました。企業のほうからすればそうでしょう。社員の福祉のために建設したが、維持管理費用が高くつき、このコスト削減の時代リストラの対象になるのはこのような施設です。役割は終わったということでしょう。
 一方集落にとっては寂しい限りです。社員だけでなく自分たちもあるときには集会用に、あるときにはお客さんをもてなすために、これほど便利なものはなかった、と思うんです。しかも外部から宿泊者が来られることで、地域の宣伝にもなり、農産物の販売も出来ていた、と思います。それがなくなる。市町村の施設でなく民間の施設ですので存続運動なども出来ません。
 これまで夏には賑わっていたこの集落も寂しくなります。高度成長期からこれまで地方の集落にさまざまな恩典をもたらしたこれらの施設は、経営の論理で、なくなっていきます。またもとの寒村に逆戻りです。
 しかし、これからが勝負。寒村に戻る前に自分たちでもう一度何かを考えて対策を講じたいものです。必ず可能です。そのための知恵を出す運動をやって行きたいし、そんな努力をしながら、もう少し資金があれば結実する、という集落や地域にこそ助成金を支給すべき、そのような助成金だったら効果があります。消え去ろうとする集落。みんなの力で残すべき所はしっかりと残していかなくてはならない。「集落存続生き生き運動」というべきものを国も考えたらどうでしょうか。時には市場の原理に逆らうことも大切です。
 明朝の辻立ち7時20分菊池市、8時大津。