タフ・ネゴーシエーション(交渉)
2006年12月15日
松坂大輔投手の大リーグ、ボストン・レッドソックス入団の交渉を見ながら、やはりアメリカだなあと感じます。日本人は最初の入札制度でレッドソックスが西武球団に60億円を入れたことに驚きましたが、その後、松坂投手との待遇契約の交渉で決裂になるかと思われたとき「もう適度なところで妥協して良いのではないか。早く円満に落ち着いた方が良い。」と日本人の大半が思ったに違いありません。しかし、期限ギリギリまで交渉は続きました。そして結局円満な決着となりました。お互いにギリギリまで自己主張して自分の正当性をアピールする、それまでは絶対に弱みを見せない、という契約社会の意識が浸透しているのがアメリカだと改めて思ったところです。目と目を合わせて「あうんの呼吸」などというのは国際交渉にはそぐわないんでしょうね。国際的ネゴーシエーションはタフです。
今、私自身も民間人の立場で様々な方との交渉を体験しています。参考になります。18日から始まる、北朝鮮の問題を巡る六カ国協議も米・中・北朝鮮とも激しいやりとりになるでしょう。日本はひるまないようにしてもらいたい。
それにしてもボストンは良いところです。十数年前行きました。3日間滞在しました。知性と野生が同居したような都市です。ハーバード大、マサチューセッツ工科大などがあり世界の頭脳が集まっています。ケネディ元大統領の出身地でもあり地下鉄構内に「ケネディ・カムバック」などの落書きも見られました。
黒人も結構多く、夜は広場でジャズやロックの演奏や歌をやっています。深夜まで続き迫力満点です。朝ジョギングしたらスラム街へ迷い込みました。アメリカで最もお金持ちが多い都市と聞いていましたが、スラムはご多分に漏れずありました。
私の地元に進出している半導体の企業「テラダイン㈱」も本社はボストンです。松井のニューヨーク、松坂のボストン、イチローのシアトル。アメリカの都市がますます身近になります。政治的に経済的に、文化的に、また今回のようにスポーツを通して日本とアメリカはますます近くなっていくのでしょう。だからこそ日本の良さがどこにあるか、しっかり検証する必要があります。