ダム問題

2006年11月26日

・・現在午前6時半。朝起き会の帰りです。昨日は菊池市の龍門ダムで開催されたふるさと祭りに行きました。先日の植樹祭に続き最近はちょいちょいこのダムに行きます。菊池市の市街地から車でわずかの時間しかかかりませんので、都会にダムがあるようなものです。昨日は龍門の野菜や山菜で作った山の幸を買おうと思って行ったんですが、もうほとんど売り切れでした。干したけのこの煮物を買って帰りました。
・・川辺川ダムの建設論争など、ダム建設の是非をめぐっては様々な論議が展開されているところです。しかし、この龍門ダムについては、建設して正解だったと思います。
・・まずそれまで水不足に悩んでいた下流の農村地帯がほとんどその心配をしなくていいようになりました。また龍門という地域がぐっと近くなり、私達もこうやってちょいちょい訪れることが出来、山の幸をはじめ山村の良さを共有することが出来るようになりました。山村は遠くに在りて時折行くものでなく、足しげく行ってその良さを味わい、自然の偉大さを老若男女皆が理解するもの、と分からせてくれました。
・・そのように考えると、龍門の場合、ダムが都会と山村を結び付け、ふるさとの製品や良さを広く紹介する役割を果たしている。そして本来の機能である治水や利水にも役立っている、ということになります。もちろん自然破壊の部分はあるでしょうが、それは先日の植樹祭のような形で山の大切さをみんなで体感する、そして自然保護の実践意識をもつことで解消できます。
・・ダムを建設するから環境が破壊されるのではなく、ダム建設にかかわり無く、自然に無関心出でいることが自然環境を壊していく、とつくづく感じます。ダムを建設しても環境の大切さをそれまで以上に教育していくなら、ダムを取り巻くもっと大きな自然環境が守られる、と考えます。
・・もちろんダムの建設場所や期待できる効果によって違います。龍門ダムと川辺川ダムを同列で考えることはよくないかもしれません。川辺川のあの山深い峡谷の自然、そして清流の鮮烈さは龍門は及びません。また菊池台地のように水さえあれば、農作物が出来、消費地にすぐ運べる、という農業環境に川辺流域はありません。ダムの効用が少ない。破壊のリスクが大き過ぎる。だから反対運動も激しいのだと思います。
・・今ダム建設については、ダムでどれだけの洪水を防ぐことが出来るのか。その想定がどうなのかという、「基本高水流量」について論議の頂点を迎えています。熊本県知事もこの基本高水流量が最大の争点、と言っておられます。果たしてそうでしょうか。流量の計算はその前提でどうにでもなるもの。それを争点にすることは、理屈論争にしか過ぎません。
・・ダムが出来て、龍門のようにそれを活用しながら。良い結果を出せる要素があるのかどうか、立地場所がそういう環境にあるのかどうか、そしてなにより、よい結果を出すという強い意志が住民と周辺にあるのかどうか、それに尽きます。その意志があれば建設すべき、相良村長のように「身の丈に合った事業を」と考えるなら、やめたがいい。私達当該地域の部外者から見れば、一般的に言ってあんな懐深い山にダムは造らない方がいい、と無責任に思うだけですから。
・・明朝の辻立ち7時20分山鹿、8時鹿本。