安倍政権の輪郭

2006年10月21日

・・安倍政権の性格と言うか、輪郭と言うかそんなものが、おぼろげながら見えてきたようです。当初から、大臣は論功行賞・族議員人事、補佐官や党は仲良し人事と言われてきました。その具体的な姿がそれぞれの発言によって見えて来ました。
・・中川政調会長の発言が止まりません。日本の「核武装についての論議はあっていい」から「北朝鮮指導者はごちそうを食べ過ぎては糖尿病だから、核攻撃を考えてしまうかもしれない」など。ちょっと今の時点で眉をひそめたくなるような発言が目立ちます。また佐田玄一郎規制改革担当相は「教育委員会は市町村に必要」「道州制については地方分権推進法に盛り込まない」と言いました。
・・中川政調会長の発言は、今の時期言ってはいけないこと。アメリカ、中国、韓国の反発を買うだけだし北朝鮮問題で日本の発言力を弱めるだけ。もし今だからこそ言っておかなくてはいけない、と思われているならば戦争を知らない若き政治家の軽はずみな愉快犯的発言と受け取られても仕方がないところです。安倍総理は中川昭一政調会長とは最も仲が良い。自分が言えない分代弁させているとは思いたくありませんが。
・・佐田大臣の道州制の削減は地方分権から一歩後退、です。そして教育委員会絶対必要論も少しおかしい。問題は教育委員会の中身。人材、役割です。小泉政権のときは「教育委員会の設置は、町村によって考えて良い」ということでした。分権と道州制は表裏一体です。本当に地方分権なら当然道州制を真剣に考えるべき。また教育委員会ありきは、文部省路線を堅持するもの。もっと教育の多様性を考えるなら、幅広い仕組みを市町村ごとに、あるいは自治体一体となって考えるべきです。
・・仲良し会のほうは、方向性は分かるけど、少し軽率だし、論功行的人事は官僚志向に逆戻りの傾向。アクセルとブレーキを同時に踏みながら、進んでいるあるいは止まっている、感じがします。大丈夫かなあ。故後藤田正晴先生のような指南役がいないと危ないような気がします。