これからの農業
2006年09月29日
昨夜は阿蘇で座談会をしました。農家の方が大部分です。私たちの地域は水田地帯でJAが中心となって農業が運営されていますが、その地方は中山間地であるため、民間企業と契約して野菜などを作るという、自立的農業が多くなっています。青汁の原料になる麦や野菜、また外食産業と契約して、素材となる無農薬野菜などを作られている農家が何軒かありました。
その方々が異口同音に言われるのは、とにかく規格、栽培方法、出荷日など契約相手先の注文と条件が厳しい。気を遣って農薬なども使わずにつくらなくてはいけない。最初はきつくて仕方なかったけど、最近はやっと慣れてきた、と言っておられました。
工業製品の場合、その検査は一つ一つの部品に至るまで厳しいものがあります。また製品の製造時間も、出荷時期も限定されそれに間に合わないと、下請け会社を解約されるということもあると聞いていました。下請け、孫請けの厳しさはいつも地元の中小企業の社長さんから聞かされていたことです。
そこにいくと農業はまだおおらかなところがありました。それは農家の方が一生懸命魂を入れて作るという信頼関係の上に成り立っていました。しかし、そんなことも言っておれない時代になってきたようです。
高品質、定時、定量の出荷、栽培方法のマニュアル化、など工業製品並みに注文が厳しくなってきました。それは消費者の指向を重要視する食料産業の今後の生き残りにかける姿勢でもあります。それが食料の輸出ということになるともっと厳しく、そして大量化してきます。それは農業の企業化を意味しますし、それについていける農家しか生き残れないと言うことになります。
今、「品目横断的経営安定対策」と言うことで19年産から、担い手中心の農業、また集落営農法人の形態が整いつつありますが、最も大切なことはこういった形式より、消費者の要望にいかに、農家が迅速に対応できる技術と心構えを持っているかにかかってくると思いました。