アメリカ外交

2006年07月25日

 コンドリーサ・ライス。米国務長官。かっこいいですね。イスラエルがレバノン空爆を始めて十数日。世界が「もう止めたらどうか」とイスラエルの後ろ盾であるアメリカにも批判的になっていた矢先、ライス国務長官が電撃的にレバノンを訪れました。自信に満ちあふれたような、さっそうとした姿は、各国に救世主のように映ります。ブッシュの知恵袋と言われ、IQ200とも言われるその頭脳にどんな考えと構想が入っているのか、興味津々と言ったところです。
 35年前、私が学生の頃同じようなことがありました。ヘンリー・キッシンジャー。同じく米国務長官。ユダヤ系米国人です。ハーバード大の政治学科首席卒業。当時の大統領リチャード・ニクソンの全てを握る知恵袋でした。
 中東戦争でイスラエル周辺が抜き差しならない状態になっていたとき、電撃的に中東を訪問し現場外交を展開、瞬く間に休戦の糸口を作っていきました。また日本の頭越しに中国を訪問、米中の国交改善を果たしました。当時は米ソ冷戦時代。第三の大国と言われた中国をどう取り込むか、が問われていたとき。ちょうど中ソは国境線を巡って対立していた時期。これによりアメリカは一気にソ連より優位に立ちました。力と電撃外交はアメリカ共和党の得意とするところです。これ以降国内においてもカーター大統領のように平和外交を推進する民主党より共和党が優位に立ち、レーガン外交へと向かいます。キッシンジャーはこのころの国際活動が認められ、後にノーベル平和賞を受賞します。
 今のアメリカ外交まさに当時と同じです。当時、知恵のキッシンジャー国務長官に対して、国防長官はキッシンジャーとハーバード大で競い合っていた経済学科の首席卒業シュレジンジャー。鷹派でならし強硬な国防政策をとっていました。
 現在も知恵のライスに対して国防長官は鷹派のネオコン(新保守)ラムズフェルド。
 パターンは一緒です。さんざん痛めつけておいて、ある時さっと救いの手を差しのべる、そのコンビネーションの良さで、問題は解決に向かう、と言う具合です。今回もその伝でうまくいくかどうか。
 ちなみに、キッシンジャー、シュレジンジャーのコンビネーションはうまくいっていたのでしょうが、大統領の盗聴事件いわゆるウオーターゲート事件でニクソンは失脚します。ブッシュもいろいろな面で手詰まり感が見えるころ、力と救いの手の硬軟両様で最後まで持つのでしょうか。
 学生の頃少しかじった昔の話に浸りすぎました。長くなりました。申し訳ありません。ポリポリ。
 明朝の辻立ち7時30分小国、8時南小国。