世論は怖い
2006年06月02日
韓国の統一地方選挙で、与党のウリ党が惨敗しました。他国を見ながら自分の国の事も考えなくてはいけないので、今回の結果は大変重要だと思います。
今の韓国を見て、ひところの日本のバブル期のような気がします。熊本の温泉、ゴルフ場には韓国からの観光客であふれています。また、ゴルフ場、ビジネスビル、マンション等を韓国資本が買収した、という話はあちこちにあります。ヒュンダイなどの財閥は世界でに中で活躍しています。
その一方で、竹島問題などは異常なまでにナショナリスティックになり、北朝鮮とは宥和政策を採り、朝鮮半島連帯を進めています。一見「経済は順調。世界に向かって飛躍している。そして、韓国は世界の中の国家として確固たる地位を築いている。日本などにもう負けるものではない」という感じです。
しかし、果たしてそうだろうか、と常々思っていました。日本はこれだけ民営化をして、リストラを断行し、効率的な国家の運営を進めている。貿易収支もいい。それでも末端は、景気が向上しない。さらに、広まる格差に不満も出てきている、状態です。これだけ頑張っている日本でさえこうなのに、果たして同じ環境にある韓国がそんなにいいのだろうか、と不思議でなりませんでした。
韓国は、まだ鉄道も、高速道路も、郵便局も国営です。行政の仕組みはほとんど日本と同じです。しかし、日本はいち早く行政改革を進めているのに韓国はその様子が見られない。そして、財閥は健在だし、軍事費の占める割合も大きい。国民全体が、良い訳はない、と感じていました。
今回の選挙結果を見ながら、やはり庶民は苦しんでいるんだ、格差は広がっているんだ、だから、選挙で与党にノーと言ったんではないか、と思います。
もし、本当に国民全体の生活向上を考えるなら、「財閥解体」「国営機関の民営化」「行財政の情報公開」「必要最低限度の軍事費」「犯罪国家の北朝鮮に対してはノーと言う」などを国民に見える形で、政治政策を実行していかなくてはいけないのではないでしょうか。
よその国のことだからどうでもいいけど、この日本においても、更に「情報公開や民営化」を進めていかなくてはなりませんし、役人が取り仕切る既存の利権にメスを入れなくてはいけません。韓国の問題でなく、足元の日本も、郵政解散で与党が大きくなったからと言って、調子に乗って掛け声だけで何もしないと、いつ選挙で負けるか分かりません。
それほど、世論は生活に敏感だし、不満があればすぐ、選挙結果となって出てきます。やはり、世論、選挙というのは恐ろしいし、素晴らしいし、また世論の判断は適切です。大切にしなくてはいけない、とつくづく感じます。かといって、余り世論に迎合ばかりする、パフォーマンス政治になっては、将来が危うくなりますが・・。