ある地域経営者の遺志
2006年05月21日
昨日は考えさせられた日でした。さる5月10日に59歳という若さで急逝された熊本のガソリンスタンドの老舗東光石油の社長だった故石原光太郎氏の「お別れの会」に出席しました。一昨年、原油の高騰、さらにガソリンスタンド以外の大型ショッピングセンターが 石油の安売りを始めたことで、ガソリンスタンドが次々に倒産していく時、何とか対策を、と自民党の中に「ガソリンスタンドを守る若手議員の会」が出来ました。会員は自民党のの議員だけとなっていたんですが、全国の石油業界に顔の効く石原さんは、私を特別に党に推薦してくれました。このため、会の一員となって、ガソリンスタンドの実態をかなり勉強させていただきました。それが嬉しくてたまりませんでした。そして、本当に日本の今後の経済や地域社会のあり方を勉強させてもらいました。
小泉政権は色々な改革をしました。しかし、一つ一つ色分けをしていかなくてはいけないと思います。まず、「官から民へ」。これは官民の格差をなくす、また効率経営をする、更に小さな政府の実現、と言う意味から必要な改革と思います。
もう一つに、規制緩和、自由化の改革があります。これは今まで、ガソリンスタンド、酒屋さん、大規模店舗などについて、ある程度地域の実情を考えて、許認可制にしたり、何キロに一軒、と規制があったのを、完全自由化にしてどこでも、誰でも、いつでも出店して良いようにし、競争の原理を持ち込みました。このため、地域の家族経営のガソリンスタンド、理容店、酒屋などは倒産が相次ぎました。
消費者にとっては、便利で、価格競争の末安くなる、ということで良いかもしれませんが、その商売を永年やって来た人にとっては、たまりません。
もちろん、既存業者の既得権益を守ったり、許認可で役人と政治家のさじ加減が幅を利かす、という事に戻ってしまえばよくありませんが、それで飯を食っている人を守ってあげるのは、時の政権政党の義務でもあると思うのです。がどうもそういう方向に行っていません。それが「ガソリンスタンドを考える若手議員の会」で度々論議されました。
生前の石原さんを偲びながら、もし地方、地域を守ろうと思うなら、こういった民間の地域企業とでも言うべきものを活性化させないなら、地域は崩壊してしまい、人身も乱れ、治安の悪化にもつながると感じました。石原さんがやろうとしていたこと、考えていたことは地方に住む人間にとって、大変大切なことであることを感じ、改めてその遺志を受け政治の場で実現させなくては、と思ったところです。