民主党代表

2006年04月08日

 民主党の代表に小沢一郎さんが決定しました。今後どういう舵取りをされるか興味があるところです。小沢さんが以前の小沢さんと変わっていれば、まとまっていくでしょう。しかし、一方で変わっていると小沢さんの、すごさ、怖さ、良さが出てこない事になります。両刃の剣です。民主党としても最後の賭け、です。
 十三年ほど前、園田博之代議士らと自民党を出て、新党の「さきがけ」に行きました。さきがけは、今考えると良識的ないい政党だった、と思います。ただ、余りにも理想主義でパンチに欠けた。一時的に議席は増加しましたが、やがて解党となりました。政治の世界、清濁合わせのみ、玉石混交を引っ張っていくようでないと、いろんな局面が来ますので維持していけない。武力派も錬金術者も知恵者も、理論派もその時々に出番が来て、戦いに勝っていくと言うことになります。
 さきがけが出来るきっかけは、当時の自民党の金丸信代議士、小沢一郎代議士らによる武断政治、に反発してのものでした。田中角栄政治以降、日本の政治は人事の独占、金、利権、暴力団といったようなものが政治の表舞台に登場してくるようになりました。これに危機感を持った有志が「さきがけ」設立に走りました。既存の自民党政治家が党を離脱して新党をわずかな人数で立ち上げると言うのは大変勇気がいることですがそれを半年近く、地下にもぐって内密に計画して新党を立ち上げたと言うことは政治家として素晴らしかったと思います。そのさきがけが、政治手法や考え方で最も対立軸に置いていたのが小沢さんです。「小さくてもきらりと光る国・日本」の、さきがけ。一方小沢さんは「普通の国日本」で強く、自立する国家を主張されたいました。
 政治はどう転ぶか分かりません。さきがけが、玄人集団でスタートしたのに対し、素人集団で新党を作り、政界に旋風を起こしたのが、細川さんの「日本新党」。この二つがやがて一緒になる、と思っていましたが、ここに自民党の権力闘争に敗れた小沢さんが入ってきます。そして、細川連立政権です。舞台回し役は小沢さん。
 さきがけと小沢さんの違い、素人集団と玄人政治家の違い、などでやがて連立政権は終わりを告げ、今度は自民、さきがけ、そして社会党の連立政権となります。
 さきがけの、当時の設立者たちは「政権を取るのが早すぎた。もっと苦労をして、下積みを経験し、10年ぐらいして政権を取っていたら、政権も長続きしていたろうし、日本の政治ももっと変わっていたろう」と述懐します。しかし、覆水盆に帰らず、歴史と政治に「もし」は許されません。
 その対自民党を作ったのも小沢さん、壊したのも小沢さん、そして小沢さんに引きずられていった日本新党も解党となります。「ローマは一日にして成らず」。なんでも、苦労の期間、地道に下働きをする期間が必要です。政党も、政治家もテレビに出ることばかり考えずもっと、コツコツと国民のために働くことを取り戻さなければ、どんなに政権が変わろうと、どういう政権の枠組みになろうと、安定し、風格と奥行きと文化がある国家建設は出来ないのではないでしょうか。
 月曜日の辻立ち7時20分菊陽町武蔵丘北、8時、菊陽国道57号光の森入り口交差点。