将来
2006年01月09日
・・「10年後の日本」(日本の論点編集部編)と「国家の品格」(藤原正彦著)を読みました。二冊とも文庫本ですぐ読めるものです。
・・「10年後・・」は団塊の世代が完全に高齢者になる時、日本の財政、福祉、介護、年金などがいよいよい行き詰まってしまい、巧みの技を持つ技術者もいなくなるか、海外に流出、所得間格差は広がり、ニートやフリターも増える。金融市場は暴走し、世界的には中国が力をつけ日本は外交的にも厳しくなる。というような悲観的な見方を書いた本です。だからどうしたらいい、という処方箋は書いてありません。
・・一方「国家の・・」の著者藤原さんは、山岳小説でお馴染みの新田次郎さんの息子さんで、御茶ノ水大学の教授。数学者で海外駐在やアメリカの大学でも永年教鞭をとっておられた方です。その藤原さんが言われるのは、理論や数理で物事は解決しない。ましてや市場経済原理主義で、国家が上手くいくはずがない。といわれるのです。数学者でアメリカに長く生活された方の持論ですので、おやっ、と思いますが、説得力はあります。そして最終的に大切なのは、その国の持っている美しさや、精神力や文化である。と言われます。
・・英語がうまいからといって国際人ではない。英語より国語と漢字を。人類愛も教えなくてはいけないがまず、家族愛である。情緒と形の国日本こそ素晴らしい。そして武士道を復活させるべきである。他国から尊敬される国家とは、自分の国の形をしっかりと持った国である。イギリスなどそれが残っている。と書いています。
・・これが右派の思想家の書いたものなら、一蹴するところですが、書いた人が人だけに考えてしまいます。
・・確かに今のままの経済合理主義、市場主義で便利さと、簡易さと、効率化を進めていった時、国や、地域社会がどうなってしまうかという不安はあります。
・・「10年後の日本」とセットで読んでみると、解決策やより良い方向性のヒントがそこにあるような気もします。藤原さんのは極論としても、10年後の日本に、今のままのやり方でいいのか、という疑問も湧きます。そこに一方の編集者「日本の論点編集部」が、10年後の予測は書くけれど、処方箋を書かなかったのかも知れません。
・・日本の将来の処方箋、難しいですね。しかし悲観はしていません。これだけみんな必死で努力している。国民の知恵で必ずきっと、他の国より良い国になると思います。しかし、政治家の私利私欲や企業の倫理上の問題がない場合の話です。
・・すみません。少し難しくなりました。頭が今ひとつなので、どうも考えていくと、益々複雑になり後戻りが出来なくなります。もっとシンプルにいかないといけませんね。