駐在大使

2005年05月18日

現在、世界各国に駐在する日本大使が東京に帰ってきています。
町村外務大臣の指令で、一同に集まり情報交換をしながら結束を固め、国連常任理事国入りへ向け動こうという狙いで、初めて大使が一同に集まったそうです。
18日の朝は、そのうちの主な20カ国ほどの大使が自民党本部に集まり、国会議員と意見交換を行いました。私も大使がこれほど多く集まる会合はないと思い出かけました。
各国の事情をいろいろと聞くことができました。
中国は「日本の常任理事国入りはライバル国を政治的に大きくさせる。ということで反対。しかし、そのままの理論では世界に通用しないので、歴史問題を持ち出している。」
米国は「常任理事国入りには賛成。しかし、現在5カ国と何らかの差をつけようとしているのではないか。しかし今後最も協力を仰がなくてはいけない国。」
ロシアも「常任理事国入りに反対ではないが、自らの既得権を侵されることには敏感」
フランスは「全面的に賛成。シラク大統領が親日家ということもあり、日本だけは常任理事国にしたいという気持ち」などが話されました。
また、国連代表部の大使も出席していて「国連の常任理事国がこんなに権限をもったものだと改めて知った。世界からの陳情・要望はすべて常任理事国に集まる。それをどう処理するかは、常任理事国次第。そして処理したあとさらに陳情・要望をした相手国に対し(優位的に)関係を結ぶことができる。(第二次世界大戦の)戦勝国がこれほど権限を持って国連を動かしてきたのか、と感じる。」などの意見も出されました。
しかし、皆が口をそろえたのは「戦後の日本の国連活動や平和への取り組み等は各国が大変な評価をしている」ということでした。
全てが外務省の職員ですからそういった意見にもなるのでしょうが、八方美人的外交と言われたり、四面楚歌の外交と言われたりしていますが、地道にコツコツ、国際貢献をやってきたことはやはり各国が認めるところだと思います。
ある大使が「今回の中国の反日デモで改めて、中国の非民主化が外国のマスコミで浮き彫りにされ、戦後処理を日本がきちんとやってきていることを結果的に各国が知った。ある左翼系の外国新聞でさえ、中国は日本の歴史教科書の批判をするが、果たして中国は文化大革命や天安門事件のことは中国教科書に載せているのか。日本は教科書で戦前の行動についてはきちんと反省の記述をしている。問題とされている中学校の歴史教科書は、選択率が1.0%ちょっとでしかない。批判されるべきは中国ではないかーという記事を目にした。」と述べられていました。
日本でしか出来ない外交。特に、より途上国に思いやりを傾ける外交がいずれ評価につながると感じました。