予算委員会分科会

2005年02月28日

25日金曜日、予算委員会の分科会というのがあり質問をさせていただきました。
テレビで放映される予算委員会は「何でもあり」で、金銭の問題からスキャンダル、防衛 、教育などさまざまな問題を取りあげる場です。
ひとつひとつの問題というより、与野党のパフォーマンス合戦、国民の皆さんにいかに自分の党が善で相手が悪かということを見せる、駆け引きの場でもあります。
しかし、分科会は各省庁別に別れ、省庁に関連する質問を許された質問者が一人30分間質問する場です。
主に1、2期生の登龍門でもあります。
私は少し欲張り、総務省の分科会(午前9:00より9:30まで)、文部科学省の分科会(午前11:30より12:00まで)、農林水産省の分科会(午後1:00より1:30まで)の3分科会で質問しました。
質問をつくり、答弁もある程度引き出し、しかもほとんどが担当の大臣、副大臣が答弁します。会場はそれぞれ違いますので、分科会を渡り歩きです。
もちろん傍聴者もいらっしゃいます。

まず、午前9時から始まった総務分科会は、私がトップバッターでした。
①<質問>
ライブドアがにっぽん放送の株を取得し、マスコミを支配する事が問題になっているが、同種の問題は昨年、中央の大手紙が、名義株を含めて、全国のマスメディアを支配しつつあったという事実が明るみに出て、総務省が指導に乗り出したところである。
しかし、全国の大手新聞社もテレビ局も地方の新聞社も地方のコミュニティ放送局も同じレベルで指導を受けている。
地方には、地方の実情があり、弱小放送局は公的機関や新聞社がある程度株を持っていなければ(10%以上になると違反)経営できない。
そういった地方の実情を把握した上で指導して欲しい。
<答弁>山本幸一総務副大臣
中央の大手と地方のテレビ局などの違いは承知している。今後は十分に考えて対処していきたい。
②<質問>
市町村合併が進んでいる。
しかし、合併した市町村と合併していない市町村が今後同じ扱いでは、苦労して合併したところは何のための合併かということになる。
やはり区別はつけるべきだ。地方交付税処置などで、財政事情厳しき折ではあるけれど、これまで通り確保して、合併、非合併の差はつけて欲しい。
<答弁>今井宏総務副大臣
今後の合併促進のためにも、合併した市町村には特に交付税措置をこれまでと変わらずやっていく。
③<質問>
350万人の横浜市も1000人未満の村もひとつの基礎自治体である。
この考え方が限界に来ているのではないか。次の合併のためにも基礎自治体のあり方を考えていくべき時に来ているのではないか。
<答弁>麻生太郎総務大臣
小さな200人くらいの島がひとつの村になっている。
しかし、だからこそ竹島(韓国が領有権を主張する)のような問題が起きない。
山村に小さな村がありそこに住んでいただいている。だからこそ山が荒れないで済んでいるということもある。
一概に小さな村を切り捨てることは出来ない。今後いろいろな分野で検討していく。

続いて11時30分からの文部科学分科会
①<質問>
法科大学院(ロースクール)が平成16年度からスタートした。
3年間そこで専門的な法律の勉強をすれば約8割は新しい司法試験に合格できる。というふれ込みだった。
しかし、あまりにも多くの法科大学院を文部科学省が認定した
(65大学院)ため、学生数が増え2~3割しか合格できないという状況になっている。
学生たちの落胆は激しいし、学習意欲にも影響を及ぼす。
法務省と連携を取り取り、当初方針に近いかたちの合格率にすべきだ。
<答弁>中山成彬文部科学大臣
今後、司法制度改革審議会とも連携をとり合格者数を決めていく。用件を満たしたところは認可している。検討をしていきたい。
②<質問>
小中学校の先生たちは、46歳前後が最も多い。30代、20代になると激減している。
あと14~15年後、現在の46歳前後の先生が退職した後は、極端な教員不足に陥る。質と量を伴った対策を考えているのか。
また、先ほどの法科大学院のように現在社会人として働いている人を広く募集して教員としての教育を行い、教員免許を与える「法科大学院」の教育版をつくったらどうか。
<答弁>中山成彬文部科学大臣
教員不足は深刻であり、私達もあらゆる対策をとっていく。
新たな教員養成のためのプロフェッショナルスクールは貴重な提言として受けとめる。

午後1時からの農林水産分科会
①<質問>
食料、農業、農村基本計画の見直しが終わり、3月にも閣議決定する。
目玉は認定農家を中心に集落営農と法人化である。
しかし、法人化の取り組みは難しい。いつごろまでにどうやって説明していくのか。
19年1月スタートと聞くが、果たして間に合うのか。また、集落営農のイメージがまだ現場には伝わってこない。もっとPRが必要だ。
<答弁>須賀田菊仁農林水産省経営局長
4月から7~8月までには全国での説明を終え、一区切りをつけたい。イメージについては、市町村、JA、その他の団体とも協力し、懸命の説明をしていく。
②<質問>
法人化の前提としてこれまで、麦や大豆など品目別に補助していたものを、品目横断的に一括して補てんするという直接支払い方式になる。
十分に改革の意味がわかるように国民、消費者の皆さんにも理解してもらえる努力が必要だ。
<答弁>岩永峰一農林水産副大臣
食糧はやがて中国をはじめ、各地で不足する。
日本としてしっかりした体制をつくりあげ、自給率を向上させる事が大切だ。
そのための改革であり、直接支払い方式である。国民の皆様にも理解していただくよう努力する。
③<質問>
耕作放棄地は30万ヘクタール以上に及び農地全体の一割に近づこうとしている。
新たな対策が必要である。
<答弁>須賀田菊仁農林水産省経営局長
市町村が耕作放棄地を指導し、そして耕作者に耕作を勧告し、それでも従えない時は強制的に耕作者を斡旋する制度を準備している。
④<質問>
それでも、耕作放棄地が出て来る場合どうする。農地法上の問題も含めてNPOや株式会社が耕作するリース特区を全国的に広める事も必要と思うが。
<答弁>須賀田菊仁農林水産省経営局長
リース特区を全国に広げ耕作放棄地の対策をすることは重要である。

というような内容でした。