負担の増加

2005年10月27日

最近の報道を見ていますと、いよいよ財政難から来る国民への負担の増加が顕著になって来たなと感じます。消費税の引き上げ、定率減税の廃止、医療費の自己負担増、環境税の創設による灯油への課税、その他各種保険、年金の掛け率引き上げなと生活者にとっての負担増が目白押しです。私は政府が絶妙のタイミングで色々と出して来たなと思います。
小泉総理の国民信任、国会内での強力なリーダーシップ確保、そして約一年後の小泉総理退陣、という永田町や国民の環境とタイムスケジュールを考えると、まさに今が霞ヶ関官僚にとっては最大のチャンスなのです。
今は何を言っても、永田町では小泉総理には反抗できません。そして、今既定方針を決めておくと来年9月以降の総理にとっても都合がいいのです。「前の総理の時に決まったことを実行しているだけ」と言うことが出来ます。官僚群はしたたかです。「虎の威を借りる狐」という言葉がありますが、まさに「小泉の威を借りて今のうち」という訳でしょう。
そうしていながら、地方への税財源の移譲、権限の移譲は手放そうとしません。あと、6000億円の移譲も拒否したままです。つまり、国の運営の基本である税を中心に、中央コントロールを強化しようという魂胆が見え見えです。国民の意思表示は選挙で終わったわけではありません。財政的に非常に厳しいことは分かります。そして、自己負担、自己責任の原則がこれまで以上に大切になってくることも私達は肝に銘じておかなくてはなりません。だからといって、政府つまり官僚の言うことを聴き、さも知ったように数字を並べ得意げに発言していたのでは、国民の現実の生活は崩れてしまいます。生活実感から来る主張が大切です。