官僚の性癖と仕事

2007年10月23日

 防衛省の事務次官だった守屋武昌氏が証人喚問となりそうです。テロ特措法の議論が佳境に入っている時期、まさに余りにもタイミングよく出てきた事件でもあります。
 それにしてもゴルフを特定の業者とこれだけ何回もやっていれば、さまざまな疑いをかけられることは免れないでしょう。やはり庶民の感覚はどんないい訳より真理を突いていると思います。守屋氏も覚悟を決めるべきです。
 官僚はその在任が長くなると必ず腐敗が生じます。これは人間誰しもそうですが、政治家の場合は選挙があるし、経済人の場合は会社の業績があり、それ如何によって退陣を余儀なくさせられます。それにも関わらず職責にしがみついていると、結果としてすんなり退陣していたほうが良かった、という結末を迎えます。
 ところが官僚は、そのようなハードルがありません。政治家に八方目配りし、部下を手なずけ、当面の物事を大過なくうまく運ばせれば、良い官僚になります。守屋さんもそうしてきたと思います。歴代の防衛庁長官や大臣にとって、守屋さんに任せておけば、守屋さんの言うことを聞いておけば、うまく行った。そのことが今回のような官僚の慢心を招いたと思います。だから政治家の責任も大きい。
 ただ大臣や長官になったばかりの政治家が、省全体を把握できるはずがありません。そこは官僚に任せなくてはいけない。しかし、省全体が腐っているなら、それは大変なことになります。大臣は裸の王様でしかありません。旧日本陸軍や海軍も同じような間違いを続けていた。省内論議をいかに活発化させるか。異なった考えをいかに取り入れることが出来るか、が求められます。
 私が今回当選したとき、真っ先に議員会館に祝福の電話をかけてこられたのは守屋事務次官でした。以前、安全保障委員会にいたということもあるけれど、「よく気がつく人だなあ」「次官が直接俺のような者に電話するなんて」と驚きでしたが、心地よさをどこかに感じたのも事実です。しかしそれが官僚の仕事の一つでもあるのでしょうかね。