若者は頑張っているけれど・・

2007年03月02日

 昨日は、午前中は地元高校の卒業式、夜はある高校の剣道部の送別会に出席しました。式典を見る限り高校教育に問題はないようです。保護者もキチンと出席し家庭教育も立派に行われているようでした。しかし、社会全体で見ると高校生の学力低下、家族の絆の弱体化、モラルの低下などが言われます。このギャップはどこから来るのだろう、と考え込んでしまいます。
 現在、専門学校の専務理事を務めながら、学生、高校生を見ていると、真剣にやっている子供が多い。自分の将来についてもよく考えている、と感じます。しかし、成人式の荒れた姿や犯罪に手を染める若者の報道があると、社会の将来に不安を覚えます。
 以前より親の目が子供に届いています。部活、レジャー、学習塾など親子一体となって参加・行動されている姿は格段に増えました。家族ぐるみの行動です。少子化で子供の教育に物心両面から家族の目が届くということでしょう。
 一方でアウトロー的な若者が、家族と疎遠になっているかというと、そうではありません。これはこれで親子の絆が強い。しかし、親の価値観がふつうの親たちとかなり違う。それがそのまま子供の行動や気持ちに反映して来ているようです。つまり家族の価値観がそれぞれに大きく違っている。というより大きく違う少数の家族がある、と言った方が適切なのかも知れません。社会に背を向ける親の価値観からは、背を向ける子供しか育たない。
 ここで「格差」という言葉に突き当たります。格差が必要以上につくとやはり社会に背を向けていく家族が多くなる。当然にそこで育つ子供たちも、格差をつけられる側からの反社会的な行動が多くなる、という訳です。
 とすると最後はやはり政治です。格差がない社会はつくれませんが、社会で共同生活する上での最低限の価値観の一致、は出来るはずです。そこを教育政策だけでなく経済政策や福祉政策でつくりあげて行かなくては、と考えるんです。なんだか持って回ったような言い方ですみません。もっと単刀直入に言う能力があれば良いんですが。