道路特定財源の一般化
2008年04月04日
頑強に守られていたお城や屈強な人物だ、と思っていた人が崩れる時はこういうなのだと思います。お城の中で腐敗が生じていた、屈強だと思っていた筋骨りゅうりゅうの体が薬によって維持されていた。中身は本当の強さではなかった。
今の道路財源がそのような道を歩いているようです。昭和30年代からの高度成長のための大量生産、そして日本中への流通、日本隅々までの活性化と利便性。そして富の平等な分配。そのためには道路がまず第一。増える乗用車、トラック輸送のスピード化、より遠くに家族団らんで旅行する方法は高速道路の建設ーそのような時代の要請と流れの中で道路と橋梁、トンネルなどの建設は聖域に置かれてきました。それを保証していたのが道路特定財源です。車にかかるガソリン税や重量税は道路建設にしか遣えない。それは戦後日本にとって最も効果的な予算の遣い方だったのでしょう。そのことが成長をもたらし、山間僻地にも自由にいける利便性をもたらしました。みんな必死で働き、道路を利用し、ここまでの国土を造り上げてきたのは政官業のなせるワザです。
しかし今、道路特定財源の使い道について道路建設以外のさまざまな問題が噴出してきているのは、やはり時代の区切りかもしれません。役人が一生懸命に山間地の道路を造っていた時代は確かにあった。今問題視されれているマッサージ器や慰安旅行に道路特定財源が使われているのは、当時だったら「ご苦労さん賃」として許されていたのでしょう。しかしそんな時代ではなくなったということです。それにあの時代のように、役人が国民のために必死で道路や離島の橋梁を造る、そんな姿が見えなくなった、ということもあるでしょう。そして天下り、業者や天下り会社との馴れ合いと癒着。屈強だった国土交通省はいつの頃からか、その役割が一段落するのを恐れて、薬を飲みながら自らの体を持続させていた、という風にも受け取られます。
道路特定財源の一般財源化は今年最大の政治テーマになります。小泉元総理が「道路特定財源の一般化は郵政の民営化より難しい」と言っていました。昨日は、私は出席できませんでしたが、福田総理を支え道路特定財源を一般財源化する自民党有志の会が国会周辺で開かれました。一昨日私が出席した山を守るための勉強会では政府関係者が「大きな声では言えないけれど、道路特定財源が一般化されれば環境保全のため山にどれだけか持ってこられることを期待している」と発言しました。
一度流れ出した一般財源化への流れは今後ますます大きくなっていくでしょう。もちろん役所の抵抗も強くなってきます。郵政の時とおんなじパターンになってきました。
しかし戦後を支えてきた財源です。短絡的に考えてはいけません。税金を払っているのは車を利用している人たちです。どこをどう変えていったらいいのか、福田総理は21年度からと言われました。あと一年近くあります。じっくり勉強します。