後藤田正晴翁

2005年04月08日

郵政の民営化に反対する国会議員の集まりがありました。
新聞でも掲載されました様に百人近くの国会議員が集まりました。
民営化反対だけでなく、小泉打倒などの多くの思惑を秘めた集会でした。
私は純粋に民営化反対で出席しました。
メインは後藤田正晴元衆議院議員の講演でした。
後藤田先生、齢91歳。杖をついての登場でしたが、講演は素晴らしく、郵政、小泉内閣、防衛、憲法そしてこれからの日本のあり方など示唆にとんだものばかりでした。
それも一つ一つに法律や海外諸国の性格の裏付けを調べた上での話でした。
さすがカミソリ後藤田とうたわれただけあります。みんな、必死になって聴いていました。
小泉政権については、大まかにはその方向性は間違ってはいない、しかし個々の問題については後世の評価に任せたい。
しかし、郵政については何故あそこまで急ぐのかと、疑問を呈せられました。
しかし元来、「郵便」と「貯金」と「保険」は別々のものだ。
異業種で郵政という事業をやっている、とも言われました。
最も強調されたのは、日米関係と憲法改正でした。
特に日米の基地問題については「いつまでアメリカの言いなりになっている。戦後60年もう、アメリカに日本としての主張をすべきだ。在韓米軍が撤退するということが決まっているところに、今のままの状態なら正に日本はアメリカの最前線基地でしかない。それが日本とアジアのためにどれだけなるのだろうか。」と言われました。
また憲法改正については「自衛軍は持つということを明記してもいい。外国から攻められたらそれに対抗するために立ち上がらない国民はいない。そのための軍は必要だ。
しかし、外国に派遣する必要はない。政治家は派遣するという発想でしかものを考えていない。派遣される自衛隊諸君の立場に立って考えてほしい。私は戦争を体験している。戦争がどんなに残酷で、悲惨で、惨めなものか良く知っている。日本が国際貢献という名で海外に軍隊を送ってもそれは戦争をすることに他ならない」。
戦後60年、日本という一つの国家が、戦争で一人の死者も出さず、また一人も殺さずに来た事の意味、世界に類を見ない意味を考えてほしいと言われました。
さすがに言葉の一つ一つに重みがありました。やはり大政治家です。
全議員立ち上がって拍手をして見送りました。
郵政問題はどっかに行ったように大きな人物像の後姿に、心を奪われました。