考え方の変革が必要だ

2008年02月13日

 酪農家の方々との話し合いをしました。話し合いというより私が酪農の実態を勉強させていただく、ということです。現在トウモロコシなど穀物の高騰で乳牛の餌となる配合飼料が値上がりを続け酪農家が経営的にピンチになっています。これをどう克服していくかについて、考えを聞きました。みんな酪農に誇りを持って経営に励んでいる中堅若手の四・五人です。
 短期的な問題と中長期的な問題に分けながら話を聞きました。短期的には現在の経営状況は最低の状態です。まず何らかの助成金を交付しなければ経営が立ち行かない、ということははっきりしました。餌に対する助成や保障が急がれます。またやめたくても借金がかさんでやめられない方々には、廃業しやすいように公的資金を投入し、例えば利子の補給をしたりして整理をすることも大事、これらをこの1-2年でやらなくてはいけない、ということでした。
 中長期的には、これまでは規模拡大に向かってみんな走ってきたが、規模が大きい所ほど今苦しい。一人ひとりの事情に合わせた適正規模を目指すべきだ。その中で輸入の配合飼料に頼るのでなく、自給飼料が出来る環境をつくるべきだ。牛舎の周囲に飼料であるイタリアンを植えられるような体制を水田農家や野菜農家と連携してつくるべきである。それを実行するための主体が必要。更に今空き地になっている工業団地などを活用して飼料が栽培されるようにすべきである。そのためには各省庁の横の連携がとられていなくてはいけない。
 自給飼料、搾乳、糞尿の処理、そして需要増対策と消費者の理解ーこの五つがそろってこそ酪農が成り立つ。そのためには農林水産省だけでなく、経済産業省、国土交通省、環境省、厚生労働省、内閣府の消費者行政などが一緒になって対策を考えなくてはいけないーなどの意見が出ました。
 まとめると①規模拡大だけに走らず家族経営が出来る政策確立が必要②稲作農家との連携で餌の自給を進め農村集落を共同運営する③各省庁の縦割りをなくす④牛乳の消費向上と安定を政策として進める、などになります。
 規模拡大だけが農政ではない、穀物の輸入に頼らない畜酪体制の強化などこれからの酪農が進むべき道を暗示している意見が出ました。