薬害C型肝炎特別措置法
2008年01月08日
朝八時に熊本空港を立ちました。午後一時から開かれる本会議出席のためです。本日の本会議の提出案件は、フィブリノゲン製剤などによってC型肝炎になられた方に対し国の責任を認め一律に救済する議員立法「薬害C型肝炎に関する特別措置法」です。もちろん全会一致で成立しました。傍聴席にはテレビでよく見る原告の方々が来ておられました。衆議院本会議場で法律が成立すると、みなさん頭を下げておられました。各議員も傍聴席に向かって拍手をしていました。原告の方々のこれまでの苦労を思うと目頭が熱くなりました。
それと政治の大切さ、責任の重さを思い知りました。当初、厚生官僚によって出された解決策は、原告の一律救済ではありませんでした。役人の考えからすると一律に救済すると、疑わしき人も入ってくるかもしれない、また補償費がいくらかかるか分からない、などの考えがあったと思います。原因と結果、被害者の特定、そして予算など理詰めだけでいくなら、それ以外には考えられないでしょう。
しかし、政治は被害者を救う、という結論からスタートしなくてはいけません。そこに役人がつくった法律でなく、議員がつくった議員立法が登場してきます。今回は与謝野馨代議士がその発案をして、それを総理が受け止めたということです。「与謝野法」と言っていいと思います。このような政治家が必要なんです。声を荒立てて役人に「何とかしろ」と言って後の立法は官僚に任せる、そんな政治家がこれまで多かった。やはり政治家自身が現場を見て法律を作る、これが政治です。
園田博之代議士が今日の新聞紙上でいみじくも言われていました。「1995年の水俣病の政治決着の時、あの時(議員)立法化していれば」と。そうです。あの時もし与謝野代議士のような方がおられれば、議員立法でもっと違った形で患者救済策が出来ていたかもしれません。
一人の有能な政治家がいたか、いなかったかでこれだけの違いが出てきます。政治は重要、そして政治家の物事に取り組む思いと能力と手法はもっと大切です。
現場、現実を見つめ必要とあらば、ない知恵を絞ってでも議員立法を目指す、そんな政治家でありたいと思いました。