集落営農法人
2006年11月14日
昨夜は阿蘇地域で座談会でした。平成19年産から始まる、集落営農への不安が各農家から寄せられました。
集落営農は新しい農業政策の一つで、集落の農地、人材を集積して法人として運営しようというものです。いわば形を変えた農業の企業化です。しかし、その指揮命令系統などは企業のようにはっきりしません。その中途半端なところが、不安の原因です。
私も国会で「ソ連のコルホーズ、ソホーズ、中国の人民公社制度など集団で農業経営をした地域は全て失敗した。それは明確な責任体制がなく、企業のようにピラミッド化していない指揮命令系統にある。今回もその轍を踏むのではないか」と質問しました。
しかし答弁は「トップに立つ人材が大切。責任体制は尊重されるべき」というあいまいな言葉でした。
もともと、この集落営農体制は新農業計画の素案にはなかった、と聞いています。担い手を中心とした大規模農家を中心として今後の日本の農業を作っていく、というのが基本のようでした。しかし、それでは末端の農家切捨てになる、そしてJAの構成員も減りJA自体が運営できなくなる、という危機感から、集落営農法人が盛り込まれたと聞いています。
水田地帯は集落中心の農業をしてきましたので成立するでしょうが、それ以外の地域はやはり疑問です。集落の負債が増えて、集落ごとの身売り、というのも考えられないことではありません。
集落単位の農業というのは考え方としては間違っていないと思います。しかし、哲学なき安易な法人化、上から言われるままの集落営農は危険。農家はそれを肌で感じています。リーダーのさまざまな発想を取り入れた果敢な改革集落法人しか生き残れないと感じました。
明朝の辻立ち7時20分阿蘇内牧、8時阿蘇一の宮。