農産物の輸出は本当の農政か

2006年09月30日

 激励の電話が絶えません。今日も朝6時半から電話がなりっぱなし。昨夜の帰宅は午前2時。辻立ちの休みの日で少しゆっくり寝ていたかったんですがそうもいきません。眠たいんですが、有り難い限りです。
 その中で「農水大臣が農産物の輸出を強調しているが、それでいいのか。結局輸出することは、農産物の輸入にもつながる。国内農業はズタズタになりはしないか。それを大きく見出しで書いていた農業の専門誌にも抗議した」という電話がありました。
 私もこの農産物の輸出には疑問を持っていました。
 「本来の農業は国内での自給を基本として余剰が出たら輸出に振り向けるというのが本当ではないか」
 「アメリカが戦後日本に対してやってきた食料輸出戦略を今度は日本が中国にしてもいいもんだろうか」
 「中国の富裕層が米を5万円、8万円で買うといっているが、それは嗜好品としてほんの一部が買うだけ。それに日本の農業が踊らされていいのだろうか」
 「結局商社のビジネスとしては成り立つのだろうけど、本当の農政と言えるのか。農政の副次的位置付けならいいけれど本流として掲げる政策ではないのではないか」
 「国内農業の疲弊から目をそらそうとしているだけではないか」
 と常々思っていましたので、この方の意見を聞いて自分が考えていたことは、皆さんも考えておられたんだ、改めて感じた所です。
 農業で今、やらなくてはいけないことは、農家の所得向上のために何をしたらいいのか、担い手と高齢者農業の分担をどうしていくのか、19年産から始まる新しい農政に各農家がどう自立心をもって立ち向かっていくのか、さらに農業協同組合の在り方の見直しと改善を強力に進めていくこと、これらが本当の課題だと思います。
 逃げないで、その本質を的確につかんでそれに向かって解決のために挑んでいかなくては、ごまかしの政治になってしまい、何年か経った時同じような課題を抱えたままになっている、と思うんですが・・。