予算委員会「農業」テーマに集中審議

2024年02月11日


 9日(金)午後1時から衆議院予算委員会が開かれました。この日の委員会は「外交と農業等」をテーマにした集中審議でした。このため総理、財務大臣の外、上川外務大臣と農林水産大臣である私が集中的に質問を受け答弁しました。
 「外交」は時々集中審議のテーマになりますが「農業」が集中的に審議されることは珍しく、それだけ現在の世界情勢の中で我が国の「食料安全保障」の重要性が増しているという現れでもあるようです。

与野党6人が16本の質問
 与党側は自由民主党、公明党、野党は立憲民主党、日本維新の会、国民民主党がそれぞれ質問に立ち合計16本の質問が出ました。午後5時までの4時間、緊張の答弁が続きました。

能登半島地震の農業、漁業被害からの復旧をまず優先
 質問でまず投げかけられたのは能登半島地震による農業と漁業に関する質問です。農業については今年の作付けが出来るのか、農業用機械・施設、畜舎などの大きな被害に対してどのような支援をしようとしているのか、漁業については隆起による漁港や漁業関連施設の被害、更に漁船が動けない状態になっているのを今後どうするのか、という内容でした。双方とも事業の再開に対しての強い要望を伴うものでした。
私は1月21日にはヘリで上空から能登半島を視察、2月4日は陸路で輪島市など奥能登地域に行き漁業者、農業者の方々と意見交換をしていましたので、それらで伺った皆さんの切実な声を紹介し、併せて1月25日に農林水産省が発表した支援のためのパッケージを基にして答弁しました。「生業再建のため全力を尽くす。農業に対しては今年の作付けに間に合うように支援していくが、もし作付けに間に合わなかったらそれに代わる支援策を準備している」と答弁しました。

熊本地震の経験をもとに復旧へ
 私は熊本地震を経験しています。そして被災地域の多くの方々は農林業でした。その経験を踏まえると、何から始め、どのような手順で復興に向けて進めればいいのか、ある程度輪郭がつかめますので、復旧から復興に向けて熊本が辿った道をダブらせながら答えました。ただ、漁業被害は規模が大きく異なります。しかも東日本大震災でも経験しなかった海底の隆起による被害です。そのことによる漁港の復旧、岸壁や荷捌き所、防波堤の再建は容易ではありません。 今後専門家の方々の知見でこれまでにない復旧・復興作業を実行していかなくてはなりません。厳しい道のりが待っていることは否めませんが、地元の漁業者の方々と話し合いを重ねながら、取り組んでいきます。

各地域から反応
 4時間の集中的な質問に答えるのはなかなか厳しいものです。岸田総理はそれを毎日受け答えされている訳で、並大抵のことではないと、改めて総理の大変さが分かりました。
その日の夜、地元に帰りましたが、翌日いくつかの会合に行くと「ずっと見てました」「少し疲れた顔でしたよ」「安心して見られる答弁でした」など様々な反応とご意見を頂きました。
これからまだまだ予算委員会は続きます。衆議院が終われば参議院でも行われます。予定では3月いっぱいの予算委員会ですので、更なる研鑽と学習、体力維持が必要です。
能登半島の被災者の皆さんは政府側の答弁に耳を傾けていらっしゃいます。復旧に向けた対策を果敢に実行するためにも、与野党の質問に丁寧に答えて行く必要があることを改めて思い知らされました。
写真は衆議院予算委員会で答弁に立つ私