国家管理者後藤田正晴
2006年09月14日
「後藤田正晴と十二人の総理たち」と言う本を読みました。佐々淳行(さっさあつゆき)初代内閣安全保障室長が書かれたものです。佐々さんは熊本では細川さんと並んで有名な佐々友房の孫に当たります。根っからの危機管理専門家で後藤田さんを尊敬してやまない方です。
後藤田先生に関しては、郵政問題でもめていたとき、郵政民営化に反対する議員連盟が講師として招き、お話を聞いたことがあります。かみそり後藤田との異名をもたれていただけに、九十歳になっておられましたが、迫力満点、知性にも満ち溢れていました。
本の内容は中曽根総理から小泉総理まで十二人の総理にいかに後藤田さんがアドバイスをして総理がそれを採り入れてきたか、を実例を挙げて書いたものです。特に外交、防衛、治安など突発的な事故事件のときの瞬時の判断には、後藤田さんの知恵と経験が随所に生かされ、国家の危機が救われる部分がかなりありました。
今、そのような方が政府の中枢に居られるだろうか、と思います。総理大臣はあくまで政治家であり神輿。一番大事なポジションはそれを国家が誤りなきよう方針や方法ををアドバイスする知恵袋的人材の配置です。劉備に諸葛孔明という稀有の軍師がついていたように、やかましく言う確かな人物の存在が必要です。
これは私たち選挙をするものも同じ。これまでの自分の反省を込めて言うなら、参謀の在任期間が長くなると、一つうまくいかないと、その参謀のせいにしがち。そして大事な腹心を切っていき、結局全体が崩れる、ということになりがちです。いかに優秀な参謀を置き続けるか、そしてそれを信じるかも、トップの能力のうちの一つです。特に安倍さんになるであろう、新政権にはそれを望みたいと思います。
後藤田さんは晩年まで国家のことが心配で心配でたまらない、と言った様子でした。根っから国家の管理ということを考えておられたんだなあ、と感服しました。
私も、さまざまなことを考えず、ひたすら国家や地域、そしてみんなの生活のことに取り組むこと、そのためには次の選挙でカムバックすること、だけを考えれば良い、と触発されました。
明朝の辻立ち7時20分武蔵丘北、8時光の森、8時20分国道57号石坂交差点。