TSMC立地に伴うインフラ整備で総理に要望
2023年08月22日
21日(月)、熊本県の蒲島知事、渕上県議会議長、前川自民党熊本県連会長、県選出国会議員団のいわゆる「チーム熊本」で総理官邸に行き岸田総理に、半導体工場立地に伴う周辺インフラの整備について要望書を手交しました。
【今一度日本の半導体が主導権を】
現在、台湾の世界的半導体メーカ「TSMC」が菊池郡菊陽町に工場を建設中で、工場上屋はほぼ完成し今後は内部の製造設備の設置などに入ります。我が国は半導体製造で世界に乗り遅れたために、グローバル企業を誘致することで国内産半導体の製造と更なる微細化に向けて弾みをつけ、今後半導体を制する国が世界を制すると言われ中で、我が国がもう一度、半導体分野において世界の主導権を取ろうという国家戦略の下、誘致されたのがTSMCです。
【驚くべきグローバル企業のスピード】
TSMCが工場建設を始めたのは昨年の4月です。昼夜兼行で工事は進み1年半で巨大な工場が完成するという驚くべきスピードです。そして来年12月には操業を開始して1700人の従業員が作業に従事します。引き続き第2工場も建設される予定と言われています。
当然、通勤の際の道路、工場の排水処理施設、地下水や工業用水の確保、住宅の整備、新たなインタナショナルスクールの設置などが必要になってきます。しかし、現在のままでは企業のスピードに追い付いていけず、また財源も絶対的に不足します。向こう10年間でインフラ整備だけで1140億円必要という試算が出されています。このままでは熊本県の財政が破綻することも考えられるため、国策としてのプロジェクトである以上、インフラ整備も国策として別枠の特別予算で支援して欲しいと、というのが今回の要望の趣旨です。
【総理をはじめ前向きな発言に期待】
朝から国土交通省出身の総理補佐官、経済産業大臣、自民党幹事長、国土交通省の事務次官と技術者トップである技監、そして国土交通大臣にそれぞれ要望書を手渡しました。
このようなインフラ整備で、官邸に行き総理や関係省庁、党の幹部まで一日で回り、要望するのは珍しいことです。それだけ私たちも必死ですし、それぞれが要望の時間を取っていただいたことは国の方も国策としての認識を示していただいたものと思います。
総理からは「海外からの日本への投資を促進することは重要なことだ。そのためには投資をしたくなるような環境整備をしていく必要がある。TSMCはその試金石だ。国としても支援したい」という前向きの返答を頂きました。
自民党茂木幹事長も非常に前向きな姿勢でした。これらに私たちも期待を膨らませたところです。
【歴史的な一日にしたい】
県選出国会議員は私を含め3人、県幹部など事務方も含めると総勢20人近くの大陳情団でした。ワンボックスカー2台に乗り総理官邸、自民党本部、霞が関の関係省庁を夕方まで回りました。これほどの大仕掛けの陳情は私も初めてです。
まさにこれからの熊本や九州の在るべき姿、日本の半導体産業の行方を左右するだけに、気持ちを込めてそれぞれが発言をしたところです。
今後、別枠の予算という事でどのような仕組みを国が考えてくれるか。その規模がどのくらいになるのか、来年の当初予算を待たずに今年の補正予算で対処していただけるのか、私たちは固唾をのんで今後見守りますが、引き続きの努力もしていきます。
この日の要望活動が、後々振り返ってみると大変効果があった、という歴史的な一日になって欲しいと思いながらこの日の要望活動を終えました。
【写真は岸田総理に要望書を手渡す熊本県知事】