豪雨に最大の警戒態勢

2023年07月03日


 2日(日)の未明から熊本の中部を中心に降り始めた豪雨は3日朝も降り続き、相当な雨量になりました。マスコミも熊本の豪雨を大々的に報道して警戒を呼びかけました。豪雨地帯のほとんどは私の選挙区、熊本3区です。
朝の降り具合を見ながら、このまま午後まで降り続けば洪水や土砂崩れが発生するかもしれないと思い各市町村を午前8時半過ぎから回り始めました。

 私の長年の経験によると、この日の朝までの雨量だとそれほど大きな被害はでないはずです。しかし、午後に1時間50ミリ前後の雨が降ればかなり厳しい状況になります。すでに各市町村では集落単位で避難指示が出されていました。

各町村役場回り
 菊陽町を皮切りに、菊陽町内の避難場所を回りました。避難者は、まだわずかでした。町内を流れる白川はかなり増水をしていましたが、皆さんの経験からもう少し様子を見ようという人がほとんどだったのだと思います。

 続いて益城町に行きましたが、こちらはすでに町の多くの部分で冠水し、県道も川からの越水で抉(えぐ)られ、交通止めの箇所があちこちに見られました。
町長も頭を抱えておられましたが、菊陽町との違いは、菊陽町が白川という1級河川が1本流れているのに対して、益城町は加勢川という本流河川に複数の支流が流れ込み、加勢川の本流が満水状態になると支流の流れが止まり逆流して洪水を招くという構造になっていました。木山川という支流の中小河川が越水し、市街地も含め水田地帯は完全に水没状態でした。下水処理センターの周囲も冠水し中にいた職員が外に出られないという状態でした。

震災そして水害
 益城町は平成28年の熊本地震で大変な被害を受けた町ですが、この日の水害に役場内も緊張が張りつめていました。益城町から上益城郡の他の町へ行こうとしましたが道路が寸断され、各町長さんに電話で状況を確認するしかありませんでした。そのうち最も山間地の山都町では国道にかかる橋梁が崩壊していました。

 水はどこを襲うかわかりません。弱い部分、老朽化した個所を確実に襲ってきます。山都町の様な中山間地だろうと市街地が多い益城町だろうと水はあらゆるところに入り込みます。それだけに日ごろからの水害における防災体制は単に堤防を築くだけにとどまらない難しさがあります。

完成間近の立野ダムへ】
 最後に先日最終のコンクリート打設式があった流水ダム(穴あきダム)の阿蘇立野ダムに向かい、ダム事務所を訪れました。副所長にダムサイトを案内していただきましたが、流水ダムとはいえ相当の貯水量でした。特におびただしい流木が堆積しており、水が引いた後の処理が大変なようです。ただし、確実に一定の流量はカットされており下流域にとってはかなりの効果があるようでした。
 午後は少し雨量が減り落ち着いた天候になりましたが、この後また豪雨にならないことを祈って午後3時の便で上京しました。
梅雨はあと2週間程です。7月の中頃までに大規模な被害を出すような豪雨がないことを祈ります。
 あと少しの辛抱と警戒です。
写真は私の実家の近くを流れる白川の濁流、すでに水は河川敷は越えている。3日午前9時ころ】