画期的、私立「神山まるごと高専」の教育

2023年04月27日


27日(木)午前11時から自民党本部で、私が委員長を務める「高専小委員会」を開きました。今回は今年4月2日、徳島県神山町(人口5000人)に開校した「神山まるごと高専」からオンラインで教育方針などを聴きました。起業家を育てるための人材育成が目的で、これまでの高専などの教育カリキュラムとは全く違うユニークな教育方針に驚きました。

学科名は「デザイン・エンジニアリング学科」で1学年40人の5年制です。教員は非常勤も含めて21人、2人に1人の教員の計算になります。全寮制で校舎はこれまであった中学校をリニューアルして開校しました。高専としては19年ぶりの新設高専です。

ソニーやソフトバンク、セコムや富士通など名だたる11社の企業が資金を協力し、原則学費、寮費とも無料です。
育成する人物像は「モノをつくる力で、事を起こす人材」。テクノロジーとデザインなどを学び起業をするというのが方針です。卒業後は就職30%、大学への編入30%、起業40%を目指します。運営方針は高専を社会と見立てて、一人の大人として学校ルールをつくり、その一員としていろいろなものをつくり上げていくとしています。

競争率9倍、ユニークな選抜方法】

受験者は全国から希望が殺到し、競争率は9.07倍。東京からの受験者が60人と最も多く、海外の受験者もタイ、ベトナム、アメリカなど6か国に及びました。

試験もユニークで「学力」より「正解のない問いにどう答えられるか」そして「学力ではなく学習力」を重視するというものでした。問題の例を挙げると
➀入学後つくりたいものを90秒の動画で紹介してください➁自分が将来起こしたいことを800字以内の作文でまとめてください➂あなたが神山町に商店をつくるならどのような商店をつくるかA4一枚で表現してください、というようなものです。

既に現在学生たちによるプロジェクトが進んでおり「地域の小中学生向けのプログラミング体験会の開催」「地域の小学校向けのお手伝いアプリの企画」「まるごとファーム(農業)の立ち上げ」「学生が運用する公式SNSの開設」「起業家を招いたイベント企画」などです。

報告していただいた常務理事の松坂孝紀さんは熱く語られました。
いずれ視察に訪れたいと思います。プロジェクトがどのように進展するか、そしてどのような人材が輩出されるか楽しみです。
写真は神山まるごと高専第1期入学生44人