不登校の児童・生徒急増、深刻

2023年01月27日


 小中学生の不登校が急増しています。文部科学省の調べで、2021年度に年間30日以上学校を欠席した児童・生徒は約24万5000人で、小学生が8万1500人、中学生16万3400人で前年度より4万9000人、24.9%も増加しています。小中学生1000人当たり25.7人が不登校という現状です。
 原因はコロナによって通学の制限や行事の中止が相次ぎ生活のリズムが崩れ、学校を休むことへの抵抗がなくなったことと同時に交友関係が築けないことなどが考えられます。
加えていじめも前年に比べ19.1%増加しており、様々な原因が複層しているようです。

 私が委員長を務める「孤独・孤立特命委員会」では子供の孤独感が大きな原因になっている、と考え、先駆的な不登校対策を実施している埼玉県戸田市の教育現場を先週の金曜日にメンバー5人で視察しました。

 戸田市の教育委員会は「だれ一人取り残されない教育を実現するために」という理念のもとにキメ細かな教育が実施されていました。
最も感心したのは「パレットルーム」という個人的な小さな教室を設営して、スクールカウンセラーや、一般の方から募集したスクールサポーターの方々が、児童の話を聴きながら授業も個人レッスンの形で進めるというシステムでした。
 戸田市内12校のうち3校でスタートしたパレットルームでしたが、不登校児童の減少が目に見えて現れ現在では全校で実施しているという事でした。
それ以外にも高校進学や授業についていけるかなどの不安を持つ中学生に対して「いっぽ」という支援教室を県立翔陽高校内に設置し、中学生の様々な悩みや相談を受けるという事も行われていました。

 不登校の増加はわが国の人材育成に大きく影響してきます。国、県、市区町村一体の取り組みが求められます。また戸田市では戸ヶ崎勤教育長が強力なリーダーシップを発揮して不登校対策を実践し、様々な取り組みを展開されていました。教育委員会の「だれ一人取り残されない」という固い信念とリーダーシップの人材も求められます。

写真は戸田市芦原小学校で校長先生から「パレットルーム」などについての説明を受ける