臨時国会、会期内閉会にメド
2022年12月09日
衆議院は8日(木)本会議を開き、旧統一教会に端を発した多額の寄付などによる被害者を救済するための「被害者救済法案」を可決し、参議院に送りました。参議院で10日に成立する見込みです。これで今臨時国会の懸案の法案や予算案が成立し、会期通り10日には閉会の見通しとなりました。
普通なら10日は土曜日ですので、9日で実質的に閉会となるところですが、被害者救済法案の与野党間の審議が続き、会期最終日の土曜日まで衆、参議院ともに開会し議案の処理を行うことになりました。このため私も、土曜日に予定していた行事をすべてキャンセルします。8日は地元事務所と連絡を取りながら、ビデオメッセージを送るなど、その対応に追われました。
今臨時国会は10月3日から開会、会期は12月10日までの69日間の日程でした。ロシアのウクライナ侵略戦争で、世界経済が一気に悪化したのを受け、我が国の経済も、エネルギーや穀物、飼料、肥料など原材料が軒並み高騰し、コスト高に追われることになりました。
このため当初から、緊急の経済対策が今臨時国会のテーマでした。予備費3兆5000億円で応急措置をした後に、令和4年度の第2次補正予算として29兆1000億円が政府から提案され国会で審議しました。そして、7月8日の安倍晋三元総理の銃撃事件に端を発した旧統一教会の問題で、多額の寄付金で苦しむ被害者をいかに救済するかの法案も提案されました。
経済対策と救済法案だけでなく、臨時国会中に3人の大臣が辞任するという事態も起きました。
あれやこれやの混乱した国会で、会期の延長はやむなし、という状況になりました。
しかし、補正予算案、救済法案、ともに与野党の協議は思いのほかスムーズに進み、結局気づいてみたら会期内の成立、という事で落ち着きそうです。
この間私は、農林業、とりわけ畜産酪農の飼料費高騰などによる経営難にどう対処するかで、対策のための議論をして来ました。まだ結論は出ません。来週に畜産や酪農に対する保証価格などが政府から出て来ますので来週まで審議は続きます。
来年は統一地方選挙ですが、とりわけ市町村議員のなり手不足が深刻なために、立候補の要件を緩和する地方自治法の改正にも力を注ぎました。こちらはギリギリ最終日に成立しそうです。
一連の国会審議を経験しながら思う事は、常に国民の皆さんの側にっ立って情報を収集しなくてはならない。一方で世界の動きにも敏感でなくてはならない。そこで我が国の政策を短期、中長期に考えながら作る必要があるという事です。国会で「論議」し、「決定」し、「実行」していかなくてはなりません。方向が一つ誤れば国民の皆さんの生活が困窮し、国の存在そのものが危うくなります。常に世界や日本の状況を見極めながら、一方で過去の歴史も参考にして、新しい歴史を一歩一歩つくっていくことが私たちの仕事である、とその崇高な使命を感じます。
9日(金)の午前8時過ぎ、選挙区内の上益城郡山都町にある県立矢部高校の生徒の皆さん約30人が国会見学に来てくれました。これからの日本や地域を担っていく高校生です。「これからもしっかり頑張って国会の見学を通じて政治にかかわってください。そして国や地域で活躍してください。期待しています」と国会参観のホールで激励しました。
ちょうど明日10日「九州中央自動車道」の中心くい打ち式が山都町で行われます。この道路は熊本と宮崎をつなぐ自動車専用道路です。経済的にも大変大きな効果が期待される道路です。熊本中央部を今後大きく変えていく道路です。完成するころ高校生の皆さんが国や地域の中心的存在となって活躍していくと思います。
彼らのためにも一日も早く完成させる必要があります。
【写真は国会内で県立矢部高校の生徒を励ます=午前8時10分】