厳しい経営が続く酪農
2022年11月14日
12日(土)、阿蘇市のホテルで阿蘇地域の酪農家の方々との意見交換会をしました。現在、肥料や飼料、燃油や資材の高騰で、皆さん大変なコスト高に悩んでおられます。そのうち農業も採算が取れない状況ですが、なかでも、毎日飼料を与えて健康管理をしなくてはならない畜産・酪農は厳しい運営を強いられています。取り分け酪農は、飼料を与えて、搾乳をしなくてはなりません。そして、その日のうちに搬送して牛乳にする必要があります。
バターやチーズなど乳製品については保存も効きますが、生乳(牛乳)は少し日をおけば腐ってしまいます。それだけに毎日毎日が勝負です。
しかも、大規模酪農家が多く、ロボット搾乳機器の設置や牛舎の改善などで、「畜産クラスター事業」という補助金が50%交付される制度を使い、各農家は、労働負担の軽減と、所得増のために借入金をして、出来る限り近代化、合理化、大型化に努めてきました。
しかし、ここに来て配合飼料が高騰の一途を辿っています。冬場になると、牛乳の消費量が減り牛乳が余りがちになります。11月から1キロリットル当たり10円の値上げが決まりましたが、飼料コストや返済金などを考えると赤字経営が続きます。特に大型酪農家が厳しい経営を余儀なくされています。
政治的に配合飼料への補填金や乳牛1頭に対する支援金などを実施してきましたが、間に合いません。苦しい現状が続いています。
この日は阿蘇市を中心とする「大阿蘇酪農組合」、そして西原村の「西阿蘇酪農組合」の方々に集まっていただきましたが、意見交換会では堰を切ったように、何らかの支援を求める声が相次ぎました。いずれも30、40代を中心とする若手後継者の優秀な酪農家からの訴えです。まさに酪農の危機感を覚えました。
酪農の経営安定化は急務です。特に熊本県は九州の生乳の生産量の半分近くを占めている、都府県ではトップクラスの酪農県です。それだけに皆さんの思いを重く受け止めました。
酪農王国の北海道も、同じような状況の様です。
まずは、酪農家にとっては非常事態。
経営の安定化に力を入れます。
【写真は阿蘇地域の酪農家との意見交換会会場】