坂本哲志

2006年08月03日

　日本のスポーツ界も政界もチョッとおかしい。テレビのヒーローづくりが世の中をおかしくさせているのではないか、と思います。
　まず昨日のボクシング。ライトフライ級の世界戦。その前に余談になりますが、ボクシングの階級が多すぎる。以前はフライ、バンタム、フェザー、ライト級などで日本人の世界戦可能な範囲はここまでだった。特にバンタム級は花形で、無敵と言われたエデルジョフレ、ロープ際の魔術師ジョーメデル、そして日本のファイティング原田、などスターがキラ星のごとくいました。フライ級もポーンキングピッチ、海老原など実力者がいた。黄金のバンタム（バンタムはチャボの意味）と言われたエデルジョフレを原田が倒したときなど奇跡と言われ（ホームタウンデシジョンもあったのでしょうが）、私は小学生だったが大いに興奮しました。
　今回の亀田こうきの試合。あれだけテレビが事前に親子、兄弟をクローズアップして「夢の始まり」などとドラマ化すれば、当然亀田の勝ちに決まっている。試合が終わって私はすぐテレビを消しました。「亀田が負けた」と思ったから。いかに出来レースとはいえ、これでは負け。会場の悲鳴は聞きたくない。しかし、これで亀田が判定で勝っていたなら、ボクシング界にとってもっと悲劇である、どちらにしても結果は見たくありませんでした。ところが、今日のニュースで見たら、亀田の勝ち。「何だコリャ」。日本の箱庭、温室育ちによる自己陶酔症候群がまた出てきたか、と思いました。
　もう一つ。自民党熊本県連が、全国に先駆けて「安倍官房長官を次期総裁として最適人と推薦した話」。安倍が勝つ。だから乗り遅れるな。また代議士の一人が大臣の椅子欲しさで安倍さんへの点数稼ぎでやった観がぬぐえません。機関決定とその代議士は言っていましたが案の定、今日の新聞では他の代議士から抗議がきて、機関決定ではないなど。この後どうなることやら。こんなことで日本の総理が決まって行くようだったら、亀田の世界チャンピオンと同じ。実力はどうなんだ、と国民はかえって懐疑的になります。
　地方県連としては、いかに中央の勝ち馬に乗るかではなく地方として次期総裁候補がどんな政策を持っているかを質問や、アンケートで十分確かめた上で、もし決めるとするなら一人に決めると言う風にしないと、いつまでたっても地方は中央の従属物ではないか。少しくらい、地方の意地を見せたらどうなんだ、と叫びたくもなります。またそんな動きを、裏も取らず、背後関係も確かめず、表面だけを聞いて記事にしてしまう地元熊本日日新聞も、取材のしつこさや奥行きがが無くなったなあと、嘆かざるを得ません。これが地方のレベルなのでしょうか。
　真の政治や真の強さとは何なのか。世界の中の日本、を強調する割には、国民に、おもねりへつらい、国民を自己陶酔させ国内だけで自己満足する傾向がまだまだ強い。もっと自分に厳しく、自国に厳しくなくっちゃ。これらを見て「このままではいけない」と、また俄然やる気が出てきました。
　明朝の辻立ち７時２０分山鹿、８時前鹿本。