スーパーシティ構想、各自治体再考

2021年08月06日

6日(金)午後1時半から「スーパーシティ型国家戦略特別区域の区域指定に関する専門調査会」が開かれました。去る4月中旬までに提出された31自治体のスーパーシティ構想を受けて、区域指定について調査・検討するものです。専門調査会の委員は、大阪大の八田達夫先生、コマツの坂根正弘先生、慶応義塾大学の竹中平蔵先生らそうそうたるメンバーで合計10名、当日は4名の方がオンラインで参加されました。

 去る4月23日付のこの日記に「いずれ劣らぬ構想ばかりで有識者、専門家泣かせの選考になるだろう」と書きました。しかし、この日、5月の自治体ヒアリング結果の講評や委員の意見交換の中では、厳しい意見が相次ぎました。

 「大胆な規制改革の提案が乏しい」、「分野横断的にデータ連携する提案が不十分」、「補助金狙いの申請のような印象」、「プラットフォーム重視で、全体最適を目指さなければならない」、「自治体へのハンズオンについては、首長、アーキテクト、事業者も参加し、ブレーンストーミング型で実施してはどうか」等々です。

 結局、将来に向けた規制改革をもっと大胆に打ち出すことやデータ連携によって何を目指すのかを更にブラッシュアップする必要がある、ということでした。このため、我々から声をかけ、今後2か月かけて、規制改革などについて各自治体から再提案を求めることとし、そのうえで、順次ヒアリングを実施し、助言等をしていくことで、委員の皆様から了承を得ました。

 厳しい指摘を受けて、構想を提出した31の自治体は再度、計画を練り直すことになります。これまでの感性とは違った、「スーパー」の文字に耐え得る思い切った規制改革を伴う都市生活の将来像が求められます。自治体からの再提案の後、再度、専門調査会や国家戦略特区諮問会議に諮ったうえで、区域の指定を行いますが、もう少し時間がかかりそうです。当初は夏頃の決定を目指していましたが、まさに未来に向けた精度の高いスーパーシティにするために、更なる自治体の努力が求められることになりました。それだけ、これまでにない構想を実践して未来の都市をつくる訳ですので、これまでにない知恵と知見を駆使しなくてはいけない、ということです。単なる未来都市構想の延長線ではないという事が明らかになりました。

 厳しい審査であればあるほど、その精度や目標は高まり、明確になって行きます。次はどのような構想に生まれ変わらせることができるのか、楽しみにしています。