第1回孤独・孤立対策に関する連絡調整会議
2021年03月12日
私が議長を務める「孤独・孤立対策に関する連絡調整会議」を12日午後6時半から官邸で開きました。加藤官房長官も出席され、私、坂井官房副長官も含めてメンバーは全省庁の副大臣18人です。孤独・孤立対策は幅が広く、各省庁の施策が人々の生活に関わるものである限り、孤独・孤立とは無関係ではないことから、関係省庁ではなく全ての省庁が参加すべき、という私の考えで集まってもらいました。特に、副大臣は年齢も若い方が多く、孤独や孤立に悩む方々に対して柔軟な発想が出来ると期待しています。
冒頭の私の挨拶でも「孤独という心の問題に関することなので、これまでの役所の仕事とは違う取り組みが必要になる。単なる連絡、調整のための会議ではなく、是非自ら考え抜いて新たな施策を提言して欲しい」と期待を込めて述べました。私が期待を込めてつくった、楽しみにしている会議です。ぜひ様々な対策を臨機応変に打ち出せるフットワークの良い会議にしていきたいと思います。
まず、当面の柱として3つのタスクフォース(緊急作業チーム)をつくることを発表しました。「SNSの活用」「孤独・孤立の実態把握」「NPО等との連携」の3本柱です。更に今後の仕事として、望まぬ孤独に悩んでいる方々に対して、出来るものから対策を実施して行くこと、6月に作成する令和4年度予算に向けての「骨太の方針」にしっかりと実態把握・予防・支援・情報提供など体系的な対策を盛り込んでいくこと、をお示ししました。
そして6人の副大臣らから、現在自分の府省で実施している対策を発表してもらいました。
最後に私から、ドイツ生まれのユダヤ人で後にアメリカに亡命した政治哲学者ハンナ・アーレントの「一人であること」についての3分類を紹介しました。solitude「ソリテュウード」(思索にふける)、isolation「アイソレーション」(孤立)、そしてloneliness「ロンリネス」(孤独)があり、そのうち孤独(loneliness)が最も深刻な状態である事。そして孤独・孤立問題は自由と民主主義の脅威に繋がってくること、を紹介しました。ナチス政権の下でア―レントが体験した孤独や孤立は、まさに人々の自由と意思を押しつぶしてしまい、悲惨な全体主義を招来する危機的な状態、という事だったのでしょう。それだけ政治的に重要なことでもあります。
孤独・孤立担当の大臣に総理から指名されたのが、2月12日。ちょうど1か月目、中核となる会議のスタートです。