子どもの貧困深刻に
2021年02月02日
長引くコロナ感染による弊害はいたるところに見られますが、とりわけ女性や子供ら弱い立場の方々にしわ寄せが行きます。特に子供たちはこれからの社会を担う人材ですので、国が責任をもって守っていかなくてはなりません。しかし近年、経済格差が広がる傾向にある中で、「子どもの貧困」問題が深刻になって来ています。シングルマザーや一人親家庭が増え、更に両親が揃っていても低所得者家庭は子供が一番苦しみます。現在入学や新学期を控えて何かと物入りな季節です。学習や子供の生活に支障が出ないようにしていかなくてはなりません。
そんな中、子どもたちのために、子ども食堂や学習支援、子供の居場所づくりなどを実践しておられる、NPО3団体の代表者の方と、オンラインで話し合いました。東京が2人、山口県が1人です。私の発案で実施したもので、コロナ禍の中で何が深刻化しているか、これから更にコロナ感染が続いた場合に何が一番求められるか、などをお聞きするためです。
3人の代表者の方から、堰を切ったように貧困の実態が語られました。給食費が払えない家庭、インターネット活用の中でパソコンを買えず、回線使用料も支払えない子供たち、中学生までは児童手当があるけれど高校生にはなく、家庭からも孤立して家出をする子供、子供を置いて家出する親、大学には合格したけれど入学金が1週間以内に支払えず、入学を辞退せざるを得ない高校生など、現場の実態が次々に報告されました。
そして国への要望も述べられ、足りない部分などが強い口調で述べられました。同時に各市町村への不満も出てきました。
すべて大切な問題ばかりでした。何とかして行かなくてなりませんが、一番の課題は財源です。新たな財源を税制も含めて求められるかどうか、これから試行錯誤が続きます。来年度の予算を審議する、予算委員会や、内閣委員会でもかなりの質問が出て来ると思います。一つ一つ耳を傾け今後の財源づくりなどを考えていかなくてはなりません。
子供の問題は本当に重要です。しかし、財源不足と同時に、我が国の場合これまでは、社会全体で子供たちを支援するという考え方より、家族だけで育てる、という考え方が強かったことから、GDPに占める教育費や子供に対する予算の割合は先進国の中で最も低いほうです。
これからのわが国が取り組むべき子供の貧困対策への課題は山ほどあります。コロナの時期だからこそ、この問題が浮き彫りになり、財務当局にも国民全体の問題としてアピールして行きたいと思います。