子供の貧困対策「フードパントリー」を視察

2020年12月24日

 「フードパントリー」という言葉を聴いたことがおありでしょうか。子供の貧困対策として、企業などと協力して食材や衣服を集め、会場を定めてひとり親家庭など登録された方々に取りに来て頂きそれらを配布する活動です。世界各地で実施されています。

 23日はその活動をしている埼玉県の「子育てフードパントリー富士見(NPО法人ポトフ)」を視察しました。大臣室を午後4時に出発、埼玉県富士見市のパントリー会場には午後5時半過ぎに到着しました。会場にはすでに登録された方々が来られ、陳列された食材や衣服を子供さんたちのために袋に入れ、それぞれが持ち帰られるところでした。

 食材はコメや野菜、ヨーグルトやお菓子、など様々なものが並んでいました。別の部屋には寄贈された子供用の洋服や靴なども並べられ、子供さんのサイズに合わせて持ち帰られていました。

 パントリー活動には色々な方々の協力が必要です。まずパントリーを主催して活動する人がいなくてはなりません。食材や様々な製品を寄贈していただく企業や個人がおられなくては品物が集まりません。そして会場となる場所を提供してくれるところがなくてはなりません。もちろん品物を運ぶ人も必要です。品物の収集、流通、場所、配布する人材、などが揃って初めて、経済的に困っておられるお母さんやお父さんたちに決められた場所に集まっていただき、子供たちのために配布することが出来ます。

 埼玉県では同県一円でパントリーを展開している「埼玉フードパントリーネットワーク」というのがあり、43団体が加盟しています。登録は約2000世帯、1世帯3人ほどの子供がいますので6000人以上の子供たちに配布していることになる、とネットワーク代表の草場澄江さんはおっしゃっていました。会場を貸していただいているのは支社長の長谷川誠さん。会場の利用予定がない日に、子供たちのために快く貸していただいているという事でした。
 そこで中心になって運営されているのはNPО法人ポトフ理事の小野寺みゆきさん。また、越谷子育て応援フードパントリー越谷市場代表の武藤晴彦さん。そして行政から星野光弘富士見市長、埼玉県庁の岸田課長にも参加していただきました。

 意見交換を行いましたが、食材集めから運送など様々な課題を聴くことが出来ました。ポトフは食材提供の企業や会場など恵まれていると感謝されていました。

 1時間程お邪魔した後、会場を後にしましたが、皆さん精力的に活動し、子供たちに健やかに生活してもらおうという熱意が伝わって来ました。

 コロナ禍の中、やはり子供や働く女性など、弱い立場の人にしわ寄せが来ます。それだけに共助の精神で、助け合いながら命や健康を守っていくことの大切さを目の当たりにしました。