農地を企業が買えるのか、激しいバトル

2020年11月17日

 16日月曜日は「国家戦略特区ワーキンググループ」による、企業の農地購入についての意見聴取があり、企業の農地購入に反対する農林水産省と規制緩和を進める有識者の間で激しい論議がありました。

 農地は現在企業が買うことはできません。農地を購入できるのは農業者か農業関係者が議決権を持つ「農地所有適格法人」です。これは農地が農業以外に転用されるのを防ぐために「農地法」で定められたものです。

 このため、兵庫県養父市を国家戦略特区として5年間、企業が農地を購入できるようにしてきました。その期限が来年の8月に来ます。それ以降この特区で実験された企業の農地購入を延長するか、更には全国展開するかどうか、が問われることになります。

 特区ワーキンググループの有識者の方々は、「特区での5年間、企業が農地を購入しても弊害がないことが実証された。選択肢を広げるためにも企業の農地購入を全国展開すべき」と主張されました。一方農林水産省は「購入された農地はわずかで、あとはすべてリースで農業が展開されている。リースで農地を活用するのが合理的である」と反論しました。

 意見は対立のまま終了しました。来年の国会までにどのように結論を出すのかは国家戦略特区担当大臣の私の仕事です。私のほうも「さらに検討を進めてもらいたい」と意見を述べるにとどめました。
 しかし、いずれ結論を出さなくてはなりません。今後、難しい判断が求められることになります。