山形を視察

2020年11月03日

 3日、文化の日の祝日を利用して山形県の視察を行いました。主な狙いは女性の就農について、現場の声を聴くことです。
 まずは、40年前に農機具販売店を営まれていた方が、コメの自由化で米価が安くなり、農家がつぶれたら農機具販売店もつぶれるとの危機感を持ち、20人の生産者と始めた農業法人「ドリームズファーム」に行きました。現在は息子さんが経営して、有限会社として約40人を雇用していらっしゃいました。うち約10人は女性です。コメの生産だけでななく、パック米を生産して150万食ほどを出荷する付加価値の高い農産品を生産する企業に成長しています。
 パック米以外の商品も開発しておられ、また女性従業員の福利厚生については奥さんも一人一人の声を聴いて充実しているようでした。

 山形県農業研究センターで5人の女性就農者と意見交換をしました。いずれも地元生まれの方で、一時期東京で働いていたり、県外で結婚してサラリーマンの奥さんだった女性が地元で夫と農業を始めたり、また独身で父親が運営する農業法人に就職していたりする方々でした。

 皆さん、農業に誇りを持ち、育児、子育てと農業も両立出来、子供たちにも農業の素晴らしさを教えたいと言われていました。しかし、女性の場合は結婚、出産、更には農業以外の用事も多く、また将来親の介護なども考えると、大好きな農業だけに専念できるのかどうかわからないという不安も語ってくれました。

 その中で私が、「都市部の女性が農業に参入するためには、どのような方法が一番参入しやすいと思うか」と聞きますと「農業法人にまずは就職できるようにすること。そしてそこで農業を覚えて、自分も独立したい、と思うようになったら農業を始める、という方法が一番いいのではないか」と答えてくれました。安定した就職出来るような農業法人が必要であるという貴重なアドバイスでした。

 そのほか結婚マッチングのための「出会いサポートセンター」では懸命な出会いのマッチングが個人情報を守りながら行われて年間50組ほどの結婚夫婦が誕生していました。山形県工業技術センターの「IОTイノベーションセンター」は先端機器を駆使して精密機器を作り出していました。
 
 いずれも、山形の力強さを感じました。「地方創生」「少子化対策」はこのような地道な活動と人や団体のネットワークで出来上がっていくものである、という事を痛感しました。
 短期間に即席で出来上がるものではありません。