雇用環境

2006年05月12日

 自民党の総裁選挙が熱を帯びてきています。マスコミも、政治面では小沢民主党代表の動向とともに、しばらくは飯の種に困らないことでしょう。
 私が予測していた、ダークホースとしての谷垣禎一財務大臣はもう、絶望的のようですが、安倍さんか福田さんでだいぶ動きが出てきました。勝ち負けの勝負というのは、選挙と一緒でみんなの興味をそそります。今後、報道がエスカレートしていき、政界の競争も激しくなりそうです。近々東京に行きます。情報を仕入れてきたいと思います。
 ところで、最近また就職の依頼が多くなりました。先日相談を受けた方は、8年前にある大手建設関係会社にご紹介をした青年でした。最初の頃からしっかりした良い男でしたが、8年の間にさらにしっかりしてきたように見受けられました。しかし、「会社を辞めようと思う」と言います。話を聞くと、8年間一生懸命にやってきたけれど、まだ正社員になれない。給料は日当制だし、ボーナスも5万円くらい、といいます。それを聞いてさすがに私も「もっと歯を食いしばって頑張れ」とは言えませんでした。当時が二十歳でしたから、もう28歳です。結婚も考えなくてはいけません。業種が建設関連ですので、この後良くなるという可能性はきわめて薄い。何より本人が「もう、建設業には行きたくない」と言います。たまらず私も「よし、何かを探そう。君も何が一番したいかを考えろ。そして、ここ行きたいというのがあれば言ってこい。俺は俺で探すから」と言いました。
 若者の厳しい雇用と労働状況を代表するものです。いかに、企業が生き残るために労働を、使い捨てにしているかの証拠だと思いました。「景気は良くなっている」と総論では言うけれど、実際、働く者にとっては、労働コストが犠牲となって、企業の実績というのを支えているようです。
しかし、いざ途中の就職と言っても現実的には厳しいものです。地方から建設業と農林漁業をとってしまうと、後の職種は限られてしまいます。幸い、私たちの町は半導体関連企業を中心として、誘致企業が多くまだ恵まれていますが、それでも、就職となると新卒者が中心です。福祉関係も人数が限られていますし、専門的意味合いが強くなかなか、ふつうの就職は難しい。そのうち、アルバイトや派遣、パートに落ち着いてしまう、と言うケースになってしまうのです。「働く場所を。しかも、贅沢はいらない。そこそこに安定しているところを」というのが今の若者の訴えです。改めて雇用環境の厳しさ、労働環境の整備不足を感じます。