アメリカ・イランの全面戦争は避けられそう
2020年01月09日
今日未明にアメリカのトランプ大統領がイランに対して声明を出し、「戦争は望まない平和裏に行けばいい」という趣旨のことを述べました。これでイランがよほどの報復措置をしない限り、戦争は避けられそうです。後は自然と今の緊張状態が収まることを願います。
マスコミなどの報道でも、「軍事力ではアメリカが圧倒的に優位なことからイランも戦争は望まないはずだ」と言われていますので無謀なことはイランもしないと思います。
そこで考えさせられるのが、79年前、アメリカの軍事力が圧倒的に上回るとわかっている中で、なぜ日本は日米戦争を始めたか、という事です。今、普通に考えれば現在のイランと同じように、戦争は踏みとどまり、外交で少しでも優位に立とうとするはずですが、あの時代は、開戦ありきでした。
当時は軍事政権であったという事があります。決断を下すのは軍人でした。それだけに軍事のプロとして圧倒的劣勢は分かっていたはずです。また満州をはじめ中国への侵略が続行中だったという事もあるかもしれません。それでも少しまともな政治感覚を持つなら、日米開戦がどれだけ無謀か分かったはずですが、それが分からなかったという事は、何が原因か。何年たっても、今回のような状況が起きるたびに考えなくてはなりません。
トランプ大統領は、相手を誹謗中傷するようなことを発言しますが、そこはビジネスマン。国家や国民が損をする選択はしません。そこは軍事力で押し切ろうとする軍人と決定的に違います。今回もイラン革命防衛隊のスレイマニ司令官を殺害しましたが当初から戦争の意図はなかった、またイランも宗教国家です。無謀なことはしないはずです。
そこへ行くと軍人が政権を握るという事がどれほど危険かという事が分かって来ます。以前のような無茶な判断をしないためにも、民間人による民主主義と政権の維持を果たして行かなくてはなりません。まっとうな政治を守って行かなくてはならないのです。
喧嘩を解決の手段と考える人に政治をゆだねない。このことだけは肝に銘じなくては、本当に我が国は無くなります。