薄れる「日本」の存在感
2019年11月29日
今種苗法の改正を手掛けています。シャインマスカットやイチゴなど優良品種が、海外に流出して海外で栽培が広がり日本の輸出戦略にも支障が生じているという事から、種苗の管理を厳しくしようとするものです。
しかし、種苗のデータを見ながら、我が国が新品種をどんどん開発していたのは昭和50年代ころまでで、その後は徐々に新品種の開発登録は確実に減少しているという事がデータでわかってきます。
逆に中国や韓国の新品種の届け出登録は年々増える一方で、農業界の新品種に対する勢いの差を見せつけられます。今、海外流出している日本の優れた種苗はすでに20年、30年前に登録されたものなのです。
このような我が国の「先取り精神の衰退」はいたるところに見られます。ITの世界では既にアメリカ、中国、韓国、シンガポールなどに周回遅れです。港に寄港する船の数にしても東京、横浜、神戸など我が国の主要港の貨客船の寄港便数は、プサンの半分から3分の1、上海の4分の1から5分の1といった状況です。企業の総資産においても、留学生や論文の数においてもすでに、世界の2番手3番手グループを何とか付いて行っているという状況です。
昨日の近未来政治研究会、いわゆる派閥の総会でもこれらがデータとして取り上げられ、話題となりました。あまりにも社会保障、特に高額医療などへ予算がシフトしているため、将来に備えた科学技術の開発や人材育成がおろそかになっているという意見が大勢を占めました。
現実的にはこれらの予算構成を変えていくことは大変な作業ではありますが、このままでは「日本沈没」です。
どこの国際会議に行っても日本の発言力と存在感は小さくなってる、それを年末の法改正や予算編成や税制改正の中で見せつけられています。
何とかしなくては!