GSОМIAの後に来るもの
2019年11月25日
日本と韓国の軍事情報包括保護協定、いわゆるGSOMIAを韓国が破棄すると言っていましたが、土壇場で延長を発表しました。先週の金曜日、私たちは破棄決定と思っていましたので驚きました。
アメリカからの相当な圧力があったのだと推測しました。これでひとまず日米韓の軍事情報や、安全保障体制は形の上では継続され最悪の事態は免れました。しかし今回の韓国の対応が残す後遺症は大きいと思います。
まずアメリカや日本の圧力に屈したという韓国世論が今後どうなっていくのか。さらに文在寅政権がどのような巻き返し策や、国民への言い訳をしてくるか、全く見通せません。
昭和20年8月15日、日本の敗戦とともに、植民地であった朝鮮は開放され、独立国となる予定でした。しかし、アメリカ、ソ連の思惑に翻弄され、北部は共産地帯に、南部は民族派が主流になり、国全体がバラバラになります。そこで米英ソ中は、昭和20年9月に、さしあたり北緯38度線を境に、北をソ連軍が南をアメリカ軍が統治することを決め、その後12月に5年間4か国の信託統治とすることを決めます。それはフィリピンと同じ統治手法でした。これに対しソ連の影響が強かった北部は容認しますが、民族色の強い南部はこの案に反対します。この時点で南部ではアメリカ不信、反米思想が強かったからでもあります。
そこには、アメリカが敗戦国日本を過度に支援、優遇しているしているという「ねたみ」もありました。
その思想は今も健在だと思います。かつてソウルオリンピックの時、女子バレーボールの試合でアメリカとソ連が戦った時、観客は圧倒的にソ連に応援していました。その底流には反米思想が流れています。
その思想が今後また復活してくる事が考えられます。日米はワンセットで韓国にとっては嫌いな国、の色合いが強まるかもしれません。
そのように中国、ロシアが誘導していくことも考えられます。
トランプ大統領は、経済で2国間の取引(ディール)に懸命ですが、安全保障は同盟で動きます。今のままなら同盟がいつ破綻するか分かりません。不透明な東アジアの情勢になって来ています。