世界のルールづくりに注目を
2019年08月29日
今年で7回目を迎えた「アフリカ開発会議」(TICAD)が横浜市で開催されています。経済の成長などで、これから可能性を秘めるアフリカに対して、日本が人材育成や企業活動の面でアフリカ諸国に投資をして、アフリカのビジネスを支援するとともに、日本の存在感を増し、我が国の経済にも好影響を与えるように、とはじめられたものです。アフリカとの友好関係が深まれば、国連における常任理事国入りの際の支持も得られる可能性があるなど、いくつもの狙いを持っています。
一方で日米関係は、日米貿易交渉や安全保障問題で順調に推移していますが、今回のヨーロッパ視察で、最も感じたのは、ヨーロッパのルールとアメリカのルールの衝突を見せつけられた、という事でした。「IT産業への課税」「環境問題」「食料の安全基準」などことごとくヨーロッパとアメリカのルール作りには違いが見られました。というより、ルールをつくって一定の歯止めをかけよう、というのがヨーロッパで、自由な経済や技術開発を尊重するのがアメリカ。その対立は根深いものがあります。今後世界の共通ルールはヨーロッパ型になるかアメリカ型になるか不明ですが、EUの幹部はヨーロッパ型に自信満々でした。
わが国は、理念はヨーロッパルールに賛同ですが、実体経済や安全保障はアメリカとがっちり結びついていますので、どのようにスタンスを決めて行くか、難しい問題であるという事を痛感しました。