JA(農協)という組織

2017年09月06日

 昨日は、今回JA(農協)のトップに就任された、中家徹JA全中会長の就任披露パーティーが東京都内で行われ出席しました。全中の会長というのは全国の農協組織のトップです。地域農協組織700、組合員500万人、准組合員500万人の巨大組織の頂点です。
 出席者は農林水産大臣をはじめ、全国の都道府県の農協中央会長、与野党の国会議員、経団連会長を始めとする経済団体など1000人ほどでした。
 中家会長は今後の農協のあり方や改革について力強く抱負を述べられました。農協については色々と批判もあり、「果たして組合員のためになっているのか」などの意見も聴かれます。先にそのための農協改革法そして競争力強化法という全農など連合会の改革を求めた法律も出来ました。
 しかし、組合組織は共同体組織ですので、一般の株式会社のように利潤だけを求めて合理化したり、直ちに組織を改廃したりはなかなか出来ません。過去に安住してはいけませんが、改革と言っても限度がありそのスピードも企業のようには行かないのが現実です。
 しかし最近は、壮年、若手を中心に様々な発想が実現化され、これまでとは違う取り組みも行われています。JAの直販店などはその一つですし、集落営農組織や福祉の見回りサービスなど地域社会にとって欠かせない役割を担ってくれています。
 一昨日は地元JA菊池が運営する「キャトル・ブリーディング・ステーション」という畜産基地が完成しましたので竣工式に出席しました。「キャトル」は牛の意味、ブリーディングは「繁殖」、そのステーションということでまさに、その牧場で、雌牛を導入して繁殖したり、各畜産農家の繁殖牛に人工授精で出産させた小牛を預かり育成し、また酪農牛に人工授精し繁殖して預かることなど、酪農牛そのものを預かり出産させたりするものです。そして市価より安く地域の畜産農家に分配するという、全国最大規模・500頭を飼育する畜産拠点です。
 同日に「ネットワーク大津」という380haを擁する、株式会社の集落営農組織の株主総会も開かれました。これも壮年、若手が農地を守り、集落を守り、且つ効率的な水田農業を展開しようと、10年前から苦労して立ち上げた組織で、12の集落が集まり、一農家一株で、それぞれの集落が株主組織となり、やっとここまで来ました。経営も軌道に乗り、黒字を出し株主配当も行うようになりました。
 このように地域と一体になってJAも頑張っています。これらを更に推し進めて本当の地域社会と農業が一体化するようにしていただきたい。その組織は今JAしかありません。それらを引っ張るのはやはり壮年や若手の発想と行動力です。中家会長にはこれらをうまく引き出して、准組合員はもとより国民全体が農協に協力していく雰囲気をつくり上げて欲しいと思います。それが農業にとっても日本という国の国柄にも最も似合うものと考えます。