憲法改正への論議始まる

2017年06月22日

 昨日は自民党本部で、憲法改正へ向けての第一回勉強会があり本当に多くの国会議員が出席しました。本部長は元法務大臣で弁護士の保岡興治先生です。まず第1回目は9条でした。内閣法制局から、マッカーサー時代に9条が作られた時の解釈がどうであったかなどの説明があり、議論に移りました。
 憲法改正論議は今年の5月3日、憲法記念の日に安倍首相が「9条の一項、二項の次に自衛隊を明記することで自衛隊違憲論争が起きないようなものに改正したい。2020年までに実現させたい」という趣旨の発言を、憲法集会をしていた団体にビデオメッセージで送ったことにより、火がつきました。
 第一項は「国際紛争を解決する手段として、戦争や武力による威嚇や行使をしない。永久にこれを放棄する」と書かれ、戦争放棄の項目になっています。
 第二項は一項の目的を達するため、「陸海空軍その他の戦力は保持しない。国の交戦権はこれを認めない」としています。
 つまり戦争を放棄して武力を持たない、という非武装論になっており、これが、自衛隊の憲法違反として過去裁判になって来ました。しかし現在、一般的には「国の存立を脅かす自衛権まで制限するものではない」故に自衛隊は合憲である、と解釈されています。
 憲法に自衛隊という文言を明記すれば、解釈による合憲ではなく、自衛隊は憲法が認めた組織になります。自衛隊が憲法違反として裁判に訴えられることはなくなります。
 しかし問題は、そうすれば第二項との矛盾は出てこないか、という議論が起きてきます。「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」とうたいながら、第三項で陸海空の装備を持つ自衛隊を明記することの矛盾です。
 昨日は激しい意見が戦わされる、と思っていましたが、意外と静かでした。何人かはその矛盾を突き、国を守る軍としての位置づけ、を主張しましたが、多くは「まず自衛隊を明記する」ということを優先し、現実的に改正が可能なものにすべき、という意見が多く出ました。ホップ、ステップのホップをまず成し遂げようという訳です。
 国民投票に耐え得る、ということになるとそのようなことに落ち着くのかもしれません。
 しかし、どう考えても今の二項を全く修正しないで、自衛隊だけを書き加えるというのは、有権者の皆さんに説明がつきにくい。ひと工夫が必要と考えます。
 次は緊急事態について勉強します。憲法は国の根幹です。積極的に参加していきます。