規制緩和が進んでどうなる

2016年04月01日

 今週は比較的平穏な週と思っていましたが、昨日私にとって驚くようなことがありました。それは規制改革会議の農業ワーキングチームが、酪農に対しての改革案として現制度を廃止するような提言をしたのです。
 我が国の酪農は、北海道酪農と都府県酪農と分かれています。北海道の牛乳はバターやチーズなど乳製品に回されます。都府県の牛乳は飲用乳中心です。それは毎日飲む飲用乳も必要。保存が可能でこれも栄養価が高いバターやチーズも必要、ということで大規模酪農が多い北海道を加工に回そうと、昭和41年に法律で決められたものです。
 加工用乳は保存が効きますので、飲用乳より2割ほど単価が安い。そのため「加工原料乳補給金制度」と言って、一定程度国が上乗せの補助をします。
 そのために補給金を各農家に支払ったり、牛乳余り現象が生じないよう需給を調整するために、全国を北海道から沖縄まで10ブロックの生産者団体に分けて、指定団体というものをつくり、各ブロックごとに牛乳の生産や価格の交渉や補給金の配分を任せています。その指定団体に入らないで、自由に乳を搾る農家は「アウトサイダー」と呼び、補給金をもらえません。永年かけて安定的な生産と価格を維持するために酪農家が生み出した知恵と仕組みです。
 その指定団体制度を廃止するという提言を、昨日規制改革会議の中の農業ワーキングチームが提出しました。このままだと、規制改革会議の答申となり、実施計画として閣議決定されることになります。そうすれば酪農界は混乱します。このため私が委員長を努める自民党の畜産酪農小委員会では、自民党としての意見を出さなくてはなりません。それを来週からスタートさせます。
 来週はまた嵐のような忙しさになりそうです。