畜産と酪農対策

2016年03月03日

 TPPの大筋合意で一番不安なのは、畜産業と酪農です。畜産は徐々に関税が低くなっていきます。特にアメリカは日本の市場を狙いアメリカンビーフを様々な形にして売り込んできます。酪農は牛乳は輸入されませんが、チーズ、バター、脱脂粉乳などの輸入が増えます。国内産のチーズなどが影響を受けると伴に、脱脂粉乳などの乳製品からは成分を調整した牛乳が作られます。搾りたての牛乳と味が余り変わらなくなると、栄養分はぜんぜん違いますが搾りたての牛乳も影響を受けます。
 このため畜産と酪農は別途、更にTPP対策を考えるということで課題として残されてきました。その畜産酪農対策小委員長が私ですので、昨日第1回目の対策会議を党本部で開きました。皆さんの関心は高く、30人以上の議員が集まりました。
 昨日は我が国の畜産酪農を取り巻く情勢を農林水産省から説明してもらいました。次から生産者や各団体からのヒヤリングをします。畜産といっても牛だけではありません。豚も養鶏もあります。しかし特に肉牛は生まれて肉牛として商品にするまで30ヶ月以上かかります。その間の事故や飼料価格の動向などリスクが付きまといます。
 酪農は配合飼料と乾燥草などの給餌次第で牛乳の栄養分やカロリーが変わってきます。どちらも工業製品をつくるようにはいきません。更に人工授精をして子供を生ませますので、受精率や出産時の事故死亡率など常に緊張状態です。
 特に日本の畜産酪農は北海道を除いて、放牧しておけばいい、というものではありません。畜舎で良質で密度の高い飼育が要求されます。それだけにコストも高くなります。そして海外からの安い輸入物との競争です。
 これからの2-3年、競争に耐えうるような畜産酪農の改革が続きます。その一翼を担うためにこれから充実した論議を重ね、5月末に提言書を出したいと思います。