ご遺骨の収集作業急げ

2015年03月11日

 昨日は「硫黄島問題懇話会」に出席しました。硫黄島は終戦末期に日米の組織的戦闘があった島で、アメリカ軍11万人、日本2万1千人の兵力を投入しての1ヶ月間の大激戦が展開された、東京から約1千キロメートル離れた小笠原諸島の一つの島です。アメリカ軍の死者は約7千人、負傷者は2万8千人、日本軍は2万人が死亡しました。
 戦勝国アメリカは死者の遺骨を収集して本土に持ち帰り、その後島を日本に返還しました。日本は遺骨の半分の1万柱しか収集されていません。後の遺骨をいかにして収集するかを目的として懇話会は結成されています。幹事長は硫黄島の決戦で指揮を取られ梯久美子(かけはしくみこ)さんのノンフィクション「散るぞ悲しき」で有名になりました栗林忠道中将のお孫さんの前総務大臣の新藤義孝議員です。
 アメリカ軍が谷を生めて滑走路を作り軍事基地にしましたが、その滑走路の下に遺骨が埋まっているため収集がはかどりません。26年度は10億円をかけて収集作業を行いましたが成果は少ないものでした。
 太平洋戦争の遺骨がそのままになっているところは硫黄島だけではありません。パプアニューギニアをはじめとする太平洋の島々、中国、北朝鮮、千島列島などまだ100万柱を越す遺骨が眠ったままです。
 民族の結束力や気高さを示すバロメーターはこのような遺骨の収集をいかに完璧にやり遂げるかではないかと思います。アジアの他の国々はこのような作業はしていないと思います。そこが民族性の違いです。
 遺骨収集事業というのは物的に何かを生み出すわけではありません。しかし本当の国民的事業として、終戦処理に当たる事業として、心の問題としてやり遂げなくてはならないものと考えます。