26年産米の価格下落問題
2014年10月09日
今年の米の作柄は東日本では平年以上、西日本では平年以下という東高西低の状態です。しかし米の予想価格は全体的にかなり低くなっています。米の販売見通しも含め、経済連が、農家に少しでも早く所得があるようにと支払っている、概算払い、いわゆる前渡し金が平年は1万円をゆうに超えているのに、今年は8000円台の所も出ています。現在そのことが農業部会で大きな問題となっています。
昨年産の米が余り気味で、販売の見通しが厳しい、というのが第一の理由です。特に東日本はその傾向が強いといいます。前渡し金が安いと年末の所得に大きく影響を与えますし、農家のやる気も薄れます。またそれによって本来高くなるはずの米が前渡し金に引きずられ安さを維持したままであることも考えられます。重要な問題です。
昨日の部会では、前渡し金の追加払いをするべき、また収入減少の補填対策である「ナラシ」を充実させるべき、など様々な意見が出ました。
私は、農業は稼げる農業というのは基本ではありますが、更に重要なのは翌年の収入が計算できる農業、であると思います。高い安いで一喜一憂するのではなく、一定の所得が補償される。それは各農家や集落営農で、翌年の情報を出来るだけ集め、作付け段階で工夫して安定度を増す。その一方で儲かる分野もお楽しみとしてつくっておく、そのような形態が今後求められると考えます。安定的な収入が確保されれば、それに見合うコスト計算が出来ますし、中長期の計画も立てることが出来ます。それに農業者がリタイヤーした後の一定の補償が加われば後継者も増えてきます。このような農業を目指すべきです。
特に西日本の裏作が出来る農業地帯は、その計算が多様になりました。東日本の単作地帯は改めて米の販売戦略を考えていかなくてはなりません。
水田農業を守るために、安定的な経営、計算できる作付け、畜産との連携、集落営農と美味しい米を作り、高く米を売る農家との区別など、やるべきことはまだまだ多くあります。